こんにちは。実はファイアーエムブレムをクリアしたことがありません。横道それ夫です。
今回はインディーズのシミュレーションRPG『ライズ・エテルナ』をレビューします。
シナリオに関するネタバレはなし、一部キャラ名や性能に関する攻略情報を含みます。
なお、本レビューはNintendoSwitch版に準拠しています。
ライズ・エテルナ(RISE ETERNA)
概要
Forever Entertainmentというポーランドの会社が開発したシミュレーションRPGです。
2021年5月にNintendoSwitch版(DL専用)が発売され、2021年9月現在ではSTEAM・XBOXONE・Playstation4と多くのプラットフォームでプレイ可能です。
NintendoSwitch版の価格は1,999円。2021年10月12日までは49%オフの1,000円で購入できます。
※【2022年5月追記】2022年5月現在、定期的にセール対象になっているようです。セール時は200円くらいで買えます。
過去の名作タイトルにインスパイアされたシミュレーションRPGによって、懐かしいゲーム感覚を存分にお楽しみください。冒険に満ちた旅に出て、個性豊かなキャラクターたちと出会う、魅力的なストーリーに没入しましょう。
各自ユニークな能力を持つキャラクターと最大14名のチームを結成し、かつてないパワーを誇る敵と壮大なバトルを繰り広げて勝利しましょう。そして人生の意味を探して共に戦う2人の関係性に隠された、ダークで奥が深い物語を紐解くのです。
ライズ・エテルナ | My Nintendo Store
インスパイアされた過去の名作タイトルというのは、まぁ間違いなく『ファイアーエムブレム(以下、FE)』シリーズでしょう。
高低差のない2Dマップと、スピーディーに展開される戦闘シーンは完全にFEです。
美麗なビジュアルとドットアニメーション
本作における数少ない評価ポイントです。
メインキャラクターの立ち絵は表情差分も含めいずれも秀逸で、日本人の感覚でも抵抗なく受け入れられます。というか好き。
そして更に素晴らしいのが戦闘シーンにおけるドットアニメーション。
スーパーファミコン時代のドット絵全盛期でも通用する滑らかな動きが凄い!
ザコ敵NPCを除けば汎用モーションがなく、キャラクターごとの特徴がしっかり表現されています。
特に「ルア」の二刀流モーションは、主人公だけあって気合入ったヌルヌル具合ですね。
何がしたいのか分からないストーリー
「救国の英雄」かと思いきや「叛乱の扇動者」のように見えて、いやこれは「暴虐の殺戮者」だなと思ったところで、やっぱり「救国の英雄」なのかも…みたいなよく分からない主人公たちを描くシナリオが展開されます。
「目的」に対して、主人公たちの取る「手段」が矛盾しているというか…。
日本語翻訳はまったく問題ないレベルなのに、なんでそういう話になるのか理解できない展開が非常に多いです。
「そうはならんやろ」に次ぐ「そうはならんやろ」です
残念ながら僕の価値観では“人生の意味を探して共に戦う2人の関係性に隠された、ダークで奥が深い物語を紐解く”ことはできませんでした。
皮肉と嫌味だけで構成される会話
いやホントに、ナニコレ??
A「残念ながら無事なようだ」B「これが無事に見えるならお前の目は腐ってるな」A「やれやれ、そのお口はどんな名医に掛かっても手遅れだ」
上記は劇中のものではなくイメージですけど、実際のキャラクター同士の掛け合いはずーーっとこんなノリです。
少なくとも日本語翻訳の文章では登場人物は常に皮肉と嫌味でコミュニケーションを図っています。
ジェームズ・ボンドのようにウィットに富んだスタイリッシュな会話を目指したのかもしれませんが、単純に「嫌な奴」の集団になってしまってますね。
いろいろヤバいマップ
本作はFE風の高低差のない2Dマップなのですが、ヤバい三重苦マップに仕上がっています。
- 広い
とにかくマップがメチャクチャ広い。グリッド数を数えてみたら、横35×縦20ありました。
まぁ広いだけならまだいいのですが、その四方八方隅々まで敵が配置されているのがヤバい。
- つらい
そんな広大なマップには不可視のトラップが仕掛けられています。それを踏むとダメージを受け、さらに「毒」「出血」といった状態異常になってしまうのですが、加えてトラップを踏んだ時点で「行動が強制終了」されます。
スキルやアイテムで設置場所を探知することができず、「とりあえず踏む」以外の発見手段が(たぶん)ないのでストレスがヤバい。
- つまらない
そんな広くてつらいマップをひたすら踏破していかなければいけません。
なぜなら「敵NPCは射程内にこちらを捉えるまで動かない」にもかかわらず、作戦目標の多くが「敵の殲滅」だからです。
攻略の大半をだだっ広いマップの移動に費やす虚無感がヤバい。
圧倒的キャラ格差
本作は全14名(僕は12名しか仲間にできず)のキャラから6名を選抜し、マップを攻略していきます。
見た目の好みで選んでしまっても詰むような難易度ではありませんが、明らかにぶっ飛んだ性能のキャラが数名います。
個人的には「ソティ」「ローズ」「イアナ」が完全なバランスブレイカー※…であると同時に、本作で感じるストレスの多くを軽減してくれるキャラだと思っています。
※いずれもスキルポイントによる育成は必要です。
ソティ
いわゆる「弓兵」です。おそらく本作を購入した人ほぼ全員が彼のヤバさを感じていることでしょう。
本作には「移動不可エリア越しでも攻撃はできる」、つまり壁があっても射程さえ届けば攻撃できるという特徴があるのですが、そのなかで…
- 「最大7マスの射程」(当然、移動してから攻撃可)
- 「2回攻撃」(2回目の攻撃は確定クリティカル)
- 「攻撃後に再移動可」(「移動可」ではなく「再移動可」です。つまり…)
広いマップ…ガン待ちの敵…分かるな?
ローズ
「タンク兼アタッカー」で、彼女が僕の最推しです。
- 「攻守良バランスのステータス」
- 「与えたダメージの最大30%HP回復」
- 「敵撃破ごとに全ステータス10%(最大で50%まで)アップ」(マップクリアまで永続)
不可視のトラップによる被ダメージがほぼ防げない本作において、自力で(しかも攻撃することで)HP回復の手段を持っているローズは非常に優秀です。
さらに道中のザコ敵を撃破していくだけで、ボスの攻撃も通さぬ鬼ステータスになります。
安定したステータスと隙のないスキルによる圧倒的自己完結っぷりは「彼」を彷彿させます。
イアナ
参戦は後半なので、実際に活躍できる機会は上記の2キャラに劣りますが…
- 「自身の周辺にいる味方ユニットを再行動させる」
皆まで言わすな…。
総評(おわりに)
クリアまで約10時間ほど。
パーティが少ない序盤を除けば難易度も高くないのでSRPG初心者でもライトに遊べますが、上述のとおりヘビィな問題点が多いのであまりオススメできません。
ただ、遊べないわけではないしポテンシャルは感じるので、「Forever Entertainment先生の次回作にご期待ください!」的な意味で買うのはアリかも。
良くも悪くも、インスパイア系インディーズ作品って感じです。
星2つ!★★☆☆☆
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!
シミュレーションRPGのバランス調整、難しそうですもんねー。