こんにちは。セクシーなキャラデザに釣られがちの男、横道それ夫です。
今回は久しぶりのインディーズゲーレビュー記事をお届けします。
プレイしたのは『Red Colony(レッドコロニー)』という作品。
なんか気になる or 購入を検討している方の参考になれば幸いです。
核心に触れない程度(序盤のエピソードくらい)のネタバレを含みます!
RED COLONY(レッドコロニー)
2021年1月にNintendoSwitchのダウンロード専用ソフト(税込790円)として発売されました。
Steam版の発売も予定されているようですが、2021年4月26日現在では国内でプレイできるのはSwitch版だけの模様です。
発売元はSHINYUDENという会社ですが、開発はRune Shimotsuji Storm氏によるもののようです。Twitterを見ると氏は日本在住っぽいですね。なので本作は「国産」なのかもしれませんが、便宜上「海外産」とします。
作品のコンセプトは「32bit時代名作のオマージュ」とのこと。初代PSやサターン時代のゲームを意識している、ということでしょうか。具体的にどの作品をイメージしているのかはよく分かりませんでした。
ジャンルは横スクロールのホラーアクション。敵はお馴染みのゾンビ(っぽいやつ)です。
レーティングはCERO:Dで、シナリオ&演出ともにセクシー要素が多めです。
お手本のように丁寧なローカライズ
本作は日本語・英語・フランス語・スペイン語に対応しています。
海外産インディーズゲーにおいては珍しくなくなりましたが、本作の日本語ローカライズもとても丁寧です。
ほとんど違和感のない日本語文章で、作品への没入感を阻害されることはほぼありません。
さらに驚くべきことに日本語ボイスまでついてます。海外キャストっぽい雰囲気ですが、物語の演出にひと役買っています。
ちょっと怪しい抑揚で「コノ、アバ〇レオンナ」みたいな大概なことも言います。
ところで、最近の海外インディーズゲーのローカライズはクオリティが高いものが多く、本当に頭が下がります。
世界規模で見れば「日本語」って大きな市場ではないと思うんですけど、丁寧な日本語翻訳をしてくださる開発元が増えました。もちろん本作もそうです。ありがたいことです。
国内メーカーも国内版は日本語のみ、海外版は英語のみ、みたいな仕様をやめて多言語収録の統一版で商品展開すればいいのになぁと思います。
ストーリーは短いが濃い…が、やはり短い
まず、初見でもクリアまで2時間程度しかかかりません。これはインディーズゲーでもシナリオのある作品としてはかなり短い部類と言えます。
なお、シナリオは分岐しそうで分岐しない…と見せかけて分岐します。一応。あくまで一応です。
一方、そこで描かれる人間模様は(察しろという部分も含めて)濃密です。
主人公は「仕事に没頭するあまりベビーシッターに夫を寝取られた研究員」です。彼女が「ベビーシッターと夫がアレしたビデオを見つけてブチ切れる」みたいなエピソードなどが割と直接的な表現を含んで展開されます。うーん濃密。あれ?ゾンビは?
しかし、そういった濃いエピソードや話が広がりそうな要素を内包しながらも、作中では「メールのようなテキストのみ」or「短めの会話」で終わってしまうのは残念なところ。
タイトルに「コロニー」とあるように本作の舞台は宇宙コロニーなのですが、シナリオ的にそれが活きている部分もあまりなかった印象です。
因みに、本作に登場する女性キャラは主人公含めて全員パイオツカイデ―のチャンネー(おっぱいの大きなおねいさん)です。大事な要素かもしれないのでここに太字&アンダーラインで補足します。
戦闘は単調で死ぬ要素ほぼなし
本作はゾンビと戦う場面が複数回あり、そのための武器としてナイフ・銃火器が登場します。
結論から言うとナイフだけで全く問題ありません。奥行きの概念がない完全横スクロールの仕様上、ほぼすべての場面で敵とは一対一の状況です。まぁこの仕様でデッドラみたいな物量で襲われても困りますが。
敵もただ横に動いてくるだけなのでヒットアンドアウェイが非常に有効かつナイフの射程が十分すぎます。
ダメージを受けると主人公の服が破れてどんどんセクシーになるというシステムがあるのですが、上記の戦術を活用すれば、わざと攻撃を食らわない限りダメージを受けることはほぼありません。
いや、逆に考えろ。常にセクシー(瀕死)な状態で居てもリスクが無いってことじゃないか。
本作にアクション性を期待してはいけない。
謎解き要素は数字入力や絵合わせのみ
トランプのマークがついたカギを探したり、エントランスの石像にメダルをはめ込んだり、クランクを使って研究所へ向かう橋を動かしたりすることはありません。
普通の建物はそうよ。
必ず同じ建物、少なくとも同じエリア内に謎解きの答えがあります。シンプルかつ、いやらしさがないのでプレイヤーにちょっとした閃きや気づきの快感を与えてくれます。
ただ、キーアイテムの入手が少し分かりにくいです。どのアイテムも「○○を入手した」みたいな通知がなくアイテム欄に収まっているので、知らない間に謎解きのキーを入手していた、ということも。
余談ですが、もともと外国語ベースの作品なので、日本人がプレイすると謎解きでも何でもない箇所が1箇所あります。ご愛敬です。
周回プレイ時に致命的なバグあり?
本作は一度エンディングを迎え、タイトルで「はじめから」を選択すると「全てのセーブデータを削除しますか?」の選択とともに2周目(?)を始めることができます。
ところがこの2周目で僕はとんでもないバグに遭遇したのです。
1周目で入手した弾丸は撃てない
そこはかとない『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』感。
さて、クリア後に新たにストーリーを始めると、アイテム欄に1周目で入手したアイテムが表示されており、一見するとこれらを引き継いでいるように見えます。
ところがこれ、引き継がれているっぽくみえるだけで実は引き継がれてません。
例えば、2周目開始直後にショットガン(表示は残弾10)を撃とうとしても弾切れ演出がでます。
その後、2周目内で新たに弾丸を入手すると1周目で入手した残弾数が上書き(10発→4発に減る)されます。表示だけ10発で実際は4発だったものが、新たに弾丸を入手したことで正常な表示に戻った、ということだと思います。この状態で初めて弾を撃てるようになります。なお撃つ機会がないのは先述のとおり。
弾丸以外の消費アイテムも同様の現象が起きます。そういえば、なぜか武器関係は「入手している」としっかり認識されます。
キーアイテムの入手フラグが狂う
こちらはかなりタチが悪いです。完全に詰みます。
消費アイテム同様、2周目開始時にほぼ全てのキーアイテムも「入手済み」としてアイテム欄に表示されますが、実はこれも使えません。
ところが、アイテム欄にある=入手済みとフラグが処理されているのか、一部キーアイテムが本来入手できる場所で回収できなくなります。
アイテム欄にはあるんだけど実は使えなくて、でもアイテム欄に表示されてるから入手フラグは立っているので再入手はできない、という処理になっているようです。なので一部キーアイテムが2周目で取れない。結果、詰む。こんなに派手に詰んだのはウィーグラフ以来!!
※僕はセーブデータを完全削除して新規ゲームにすることで対応しました。さらにそのデータでも2周目を始めたところ、上記のバグは発生しませんでした。(アイテム欄がリセットされていた。)よってどの程度再現性があるものなのかは不明です。
まとめ
意欲作だとは思いますが、正直あまりオススメはできません。
アクションとしてはゲーム性が低く、シナリオの濃さを演出するにはボリューム不足といった感想です。僕が遭遇した完全詰みバグも評価を落とす要因です。
ただ、790円という低価格のなかで丁寧なローカライズを実現しているところは特筆に値します。
2021年5月10日まで20%オフの630円で購入できるので、キャラデザ等に興味が出た人は遊んでみてもいいかもしれません。
既にお分かりのことかと思いますが、僕はキャラデザで一本釣りされた紳士です。ジルが好きです。キャラデザについては「とても満足」です。
なお、現在続編が開発中だそうです。今回の評判を受けてどれくらいの作品に仕上がってくるのか期待です。いろいろ書きましたが、僕は続編も買ってみようかなぁと思います。
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!
続編も、この時代でもブレないセクシー路線!嫌いじゃない!!いや好き!!