こんにちは。ビックリさせる系ホラーは苦手、横道それ夫です。
今回はNintendoSwitchで絶賛発売中のホラーADV『廃深』のレビューをお届けします。
一部、シナリオの根幹に言及しない程度のシチュエーションネタバレを含みます。
廃深
概要
2021年4月15日にNintendoSwitch用のダウンロード専売ソフトとして発売されました。その後、同年6月にSteam版も発売されています。
Switch版の価格は2,280円。
発売元は一部のNintendoSwitchユーザーにはお馴染みのqureate(公式HP・公式Twitter)です。
<ゲーム概要>
本作は襲ってくる謎の殺人着ぐるみから逃げながら、廃レジャーホテル内を探索しアイテムやヒントを手がかりに謎を解いて脱出を目指すのが目的の横スクロールアクションアドベンチャーです。
プレイヤーの行動次第で彼女たちの運命は大きく変わります。<STORY>
動画配信者である生駒、桜井、白石の3人は、「廃墟へ撮影に行きたい」という桜井の提案で、
地元で有名な心霊スポット『ホテル イザナミ』へと訪れた。とりたてて大きな逸話があるわけでもないよくある心霊スポットでの撮影。
何事もなく撮影を終え、ホラーっぽい動画が作れればいい――ただそれだけだった。
撮影中、一人はぐれた生駒は、突如動き出した着ぐるみに襲われる。
その後も閉じ込められたレジャーホテルの中で数々な危機に襲われる3人。なぜ着ぐるみは3人を襲うのか、どうしてホテルに閉じ込められたのか。
はたして 3人は、無事にこの廃レジャーホテルホテルから脱出することはできるのか――?廃レジャーホテルを舞台に命をかけた動画配信がはじまる―
廃深 | My Nintendo Store
「横スクロールアクションアドベンチャー」と書かれていますが、アクション要素は殆どありません。
移動パートは片手のスティック操作で事足りるほどシンプルですし、探索パートも対象ポイントにカーソルを動かしてワンボタン程度のもの。
ゲームに不慣れでも操作でつまづくことはほぼ無いと思います。
一方、「ホラー」と「えっち」についてジャンルで明記されていない謎…。ホラー要素はそこまで強くないビックリドッキリ系ですが、女の子のおっぱいやらパンツやらが当たり前に出てくるので、遊ぶ場所や一緒に遊ぶ相手はしっかり選びましょう。
言語やプレイ時間など
国産ゲームなので日本語ベースです。
そして登場キャラクターはフルボイス。しっかりとキャリアのある声優さんが声をあてているので、いろいろバッチリです。
プレイ時間は探索時の注意力や攻略情報の有無で大きく前後すると思われますが、僕の場合は5時間半ほど。
音声をところどころスキップしつつ、探索で3回ほどガッツリ詰まりながら、の時間です。攻略情報は終盤近くに1回見ました。
本作のいいところ
かわいい女の子にタッチできる
本作は「CERO:D」です。
でしょうね。
なので、かわいい女の子にタッチできます。
そんなことしている場合じゃないエクストリームな状況でもタッチできます。
そして、タッチすると声を上げたり頬を赤らめたりします。あと、Live2Dでプルプルもします。
さすが、qureate!!
CERO相手にチキンレースしてますね!
それ!(プルプルッ!)
それ!!(プルプルプルッ!!)
ただ、いつまでもプルプルさせているとゲームオーバーになることもあります。実は制限時間があるんですよねー。
一エリアの探索に重きを置いた作り
物語の舞台は廃墟となったホテル。
展開に合わせて行けるエリア・行けなくなるエリアが出てきたり、最初は意味がなかった場所に後々意味が出てきたり、みたいな要素があります。
移動範囲はほぼ一建物のみですが、不用意にエリアを広げないことでかえって世界観に一貫性や現実味を感じさせてくれます。
主人公たちはごく普通の大学生みたいな設定ですからね。別館や下水道や研究所に行かされたら興ざめです。
ただ、限られたエリアであるが故のデメリットも…。そちらは後述。
本作のちょっとダメなところ
物語の原因と結果がイマイチ結びつかない
本作の物語は点で見るとそれなりに納得できるのですが、最終的にそれらを線で繋ぐと少々違和感がある展開になっています。
大きなネタバレになるので具体的には書けませんが、目の前で起きているコノ現象の原因がソレでは辻褄が合わないように思うのです。
超絶オカルトなので「こまけぇこたぁいいんだよ!」の精神が必要なのは分かるのですが、このチグハグさ故に結末のカタルシスはやや少なめです。
ちょっと悪意を感じるキーアイテムの配置
物語を進めるうえで必要なキーアイテムの配置に少々難ありです。
具体的には
- 意味のないオブジェクトに重なる(あるいは相当近い)形で配置されている
- やたらと一か所に集中している
です。
本作は移動できるエリアはそれほど広くなくキュッと引き締まっていて大変良いのですが、一方で攻略に必要なキーアイテムの数は結構多くなっています。
結果、こうならざるを得ないのも分かりますし、心理の死角を上手く突いているとも言えなくもありません。それにしても、もう少し工夫してもよかったのでは?と思います。
もちろん、すべての配置がそうというわけではありません。
もはやメンドクサイだけの殺人着ぐるみ
本作は、キーキャラクターとして血まみれの鉈を持った着ぐるみが登場します。
暗闇から現れ主人公たちに襲い掛かり、捕まったら即ゲームオーバーという恐怖の対象…のはずなのですが、
- 現れるサインがある
- 目の前で隠れてもバレない
- コツを掴めばすり抜けも余裕
- かと思ったら何もない部屋の突き当りからいきなり出てくる
という何とも中途半端な仕様になっています。
最序盤は「怖っ!」ですが、割と早い段階で「メンドクサイなぁ」に変わってしまいます。
いわゆる「鬼ごっこ」的な面白さはほとんどありません。
なんともいえないところ(余談)
主人公3人のひとり「生駒美桜」なんですけど、彼女が鋼のメンタル過ぎるんですよね。
鉈を持った着ぐるみに追いかけられて一命を取り留めた後に、
ビックリした。アレは何だったんだろう。まぁでも、今は先に進まなくちゃ!
いやいやいやいやいやいや。
ま、ホラーゲームの主人公はこれくらいの精神力が無いと務まらないのかもしれませんね。
余談おわり。
総評(おわりに)
全体的に雰囲気がよく、キャラクターに関してはかなり上質。
qureateならではの要素もバッチリです。
一方、シナリオやゲームデザイン部分はツッコミどころも少々、といったところでしょうか。
本作に何を求めるかがキモですが、個人的には…
星4つ!★★★★☆!!
だってqureateだもん。
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!