こんにちは。チョッピーです。
本日の記事の内容
尼崎信用金庫・大阪産業創造館主催の「起業STEPUPフェスタ 2019 〜お客さんがいないとはじまらない!起業と販促DAY〜」というイベントの「営業会社から注目スタートアップ企業へ! akippaのビジネス展開&資金調達ストーリー」という講演を聴いてきました。
内容を共有します。特に以下の様な方にとって参考になる内容だと思います。
- VC(ベンチャーキャピタル)等を活用して資金調達をしたいと考えている方
- プラットフォームビジネスに関心がある方
- ベンチャー企業におけるサービスの具体的な広報の方法論を知りたい方
それでは、どうぞ。
講演概要
タイトルと講師は以下の通りです。
- タイトル:営業会社から注目スタートアップ企業へ! akippaのビジネス展開&資金調達ストーリー
- 講師:金谷 元気 氏(akippa株式会社 代表取締役社長 CEO)
金谷氏の会社が提供しているサービス「akiipa」の公式サイトはこちら。
その他の情報に関しては大阪産業創造館のこちらのページを参照ください。念のために内容を引用すると以下の通りです。
駐車場シェアサービスで、累計登録会員数150万人を突破し、累計登録拠点数が3万を突破するなど、年々事業規模を拡大するakippa株式会社。
しかし、かつては資金繰りに行き詰まり、苦労をする日々…。スタッフの給料を払うのも精いっぱいでした。
創業当初は、ITのノウハウがあったわけではなかったakippa株式会社が、どのように資金調達を行い、事業を加速させていったのか、金谷元気社長から実際のところをお話しいただきます!
起業 STEP UPフェスタ 2019|大阪産業創造館
講演内容
話の流れとしては以下の3部構成である様に思えました。
- 金谷氏が会社を立ち上げるに至るまでの経緯
- 金谷氏の会社の資金繰りがショート寸前に至るまでの経緯とその後の資金調達について
- 最初の資金調達後のakippaの成長と更なる資金調達について
上記の展開に沿って内容を共有します。また、最後に「その他」として金谷さんが時系列と関係なく語られた内容も記載します。
1.金谷氏が会社を立ち上げるに至るまでの経緯
講演内容が金谷氏の反省を振り返る内容でしたので、ここではそれを年表にまとめる形で共有します。
金谷氏の年齢 | 事柄 | 西暦 |
17歳 | 高校2年生。サッカー少年。 全国各地のプロチームに自分のプレイ動画を送り続ける。 サガン鳥栖の練習生になりプロサッカー選手を目指す。 | 2002年 |
18歳 | プロサッカークラブに入れず。 フリーターをしながら関西リーグでプレイ | 2003年 |
19歳 | バイトの仕事が全く上手く出来ない。 バイトのシフトに入れない。 電車賃を得るために100円の傘を購入し300円で売る。 →この経験でバイトでは無く、自分で事業を行う事を決意。 初めて自分で営業活動を行いお金を稼ぐ。 | 2004年 |
20歳 | 本格的に個人事業を始める | 2005年 |
21歳 | サッカーにおいて2度目のチャンス到来。 ザスパクサツ群馬(当時のザスパ草津)で1ヶ月の合宿。 結果的にプロサッカー選手にはなれず。 | 2006年 |
22歳 | サッカー引退。経験のために上場企業に就職。 | 2007年 |
24歳 | 上場企業退職。 住んでいたワンルームで起業。 携帯電話の営業会社として設立。 設立時の資本金は5万円。 | 2009年 |
19歳の時の「100円の傘を購入し300円で売る」という経験が金谷さんのターニングポイント。ここで「需要があるところに供給すればモノは売れる」と思ったとのこと。
2.金谷氏の会社の資金繰りがショート寸前に至るまでの経緯とその後の資金調達について
引き続き年表形式でまとめます。
金谷氏の年齢 | 事柄 | 西暦 |
24歳 | 起業した会社ではソフトバンクの販売代理店業を行う。 起業後2週間で「この事業はいける」と判断。 人員増のためにパートとしてギャルを採用。 | 2009年 |
25歳 | さらなる人員増のために社員を雇用。 (後にこの社員とギャルは結婚したらしい) | 2010年 |
26歳 | 初の新卒採用。 ソフトバンクの販売代理店を辞める。 | 2011年 |
27歳 | 労働集約型産業への疑問を感じる。 セコムを事例に労働集約型から収穫逓増型への転換を目指す。 成果報酬型の求人事業を開始。 ★最大の危機到来★ 2012年5月に資金繰りに困る。役員の給与が4ヶ月止まる。 「会社の残高1万円」という状態が3ヶ月続く。 銀行全てに融資を断られる。 「資金繰りに困った時に読む本」でVCを知る。 「VC 日本」で検索し、電話をかけまくる。 リーマンショック後で環境としては最悪。 3社のみアポが取れる。2社から断られる。 残りの1社から6500万円の出資を獲得。 VCの担当者曰く「金谷さんは何かやりそうな顔をしてますね」。 →金谷氏は「この人、大丈夫か」と思ったとのこと。 | 2012年 |
労働集約型ビジネスから、それ以外のビジネスへの転換はやはり大変なんですね。
3.最初の資金調達後のakippaの成長と更なる資金調達について
引き続き年表形式でまとめます。
金谷氏の年齢 | 事柄 | 西暦 |
28歳 | 4月に取締役から「この会社の理念ってなんですか?」と尋ねられる 金谷氏は電気代が払えず家の電気が止まり「電気ってスゴイ」と感じた 結果、5月に理念を「”なくてはならぬ”をつくる」にした →つまり、世の困りごとを解決すること →社員から「困りごと」を募集 →9月にある女性社員から困りごとが届く 「コインパーキングは現地に行ってから満車がわかるため困る」 →駐車場と車のマッチング失敗は大きな社会課題 10月にコワーキングスペースでエンジニアに声をかけサービスを開発 | 2013年 |
29歳 | 4月に”akippa”のサービススタート →初月売上2万円、社内から不安の声 →世間の評価は「あんなもの絶対うまくいかない」 ディー・エヌ・エーより3億円の資金調達 12月にIVS(Infinity Ventures Summit)で優勝 | 2014年 |
30歳 | 名だたる企業より転職者が続々と入社。 →最初、Googleの社員から転職希望者が来たが、 詐欺だと思って無視していた。 | 2015年 |
31歳 | 大手企業が続々と駐車場シェアへ参入 →参入されたら嫌だな、と思っていた企業10社のうち6社が参入 →その中に過去、販売代理店をしていたソフトバンクもあった →ワクワクした 優秀な人材が増えた事に伴い、執行役員2人が自ら辞任 →役員を辞めてプレイヤーになりトッププレイヤーとして活躍 広報活動を強化 →マーケティング予算はゼロだったが、広報チームを立ち上げた →「テレビに出る方法」が書いてある本を読んだ 独自の広報戦術を採用 →毎週10種類のリリースを書き、そこから3種類を送る →目につくように透明のA4封筒でメディアへ送る →テレビでは無く新聞社と雑誌の編集部が対象 →テレビの人はネタを探す時間がなく、 新聞、雑誌で取り上げられたネタを採用しているため →連続してテレビに取り上げられる →テレビは新しいモノを好む。売上は関係ない →がっちりマンデーに出演した際も売上は月々20万円 大企業・自治体と提携しサービス規模を拡大 | 2016年 |
32歳 | 競合への対抗策としてakippa専用の機器を他社と協業で開発 | 2017年 |
資金調達およびサービス開発をきっかけに広報・人材採用が非常に素晴らしいサイクルで動いています。どのポイントにおいても「営業力」がキーになっている気がしました。
4.その他
金谷さんが時系列と関係なく語られた内容に関してです。
- 大手企業がベンチャー企業のサービスの競合として参入してきた際、ベンチャー企業は規模の問題から大手に負けてしまうと思われがちだが、実際のところ大手企業の新規事業部とベンチャー企業を比べると、後者の方が規模が大きい事がある。そのためベンチャー企業でも大手企業と対等の勝負を行う事は可能。
- akippaの成功の理由は「自分よりも優秀な人が入ってくれた」「大企業が出資してくれた」「応援してもらえた」だと思う
- ハーバードのMBAは最初は「Thinking」に傾倒していた。それだと全然、成功者が出ない。その次は「Doing」。これでも少ししか成功者は出ない。最後に「Being」。これはそれなりに成功者が出た。
- akippaはIT企業でも駐車場企業でも無く”困りごと解決企業”である
- akippaは駐車場そのものを提供しているのでなく「人と人が会う」ための手助けを提供している
- akippaは世界一を目指している。”困りごと解決企業”が世界一になると、世の中がより良くなると考えるため
おわりに
講演内容の共有は以上です。
金谷さんはTwitterもされているようですので(こちら)フォローされてみてはいかがでしょうか?
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