こんにちは。チョッピーです。
はじめに
前回に引き続き「CYBOZU DAYS 2019 大阪」のレポート&感想記事をお届けします。今回は「Day2」の僕が受講したセミナーに関してです。ノベルティ等の情報が知りたい方は前回の記事に記載していますので、そちらを参照願います。前回の記事はこちらです↓
なお、「Day2」で僕が受講したセミナーの一覧は以下の通りです。
- 基調講演 モンスターへの挑戦状
- 星野リゾートのIT戦略に見る経営者が持つべき覚悟
- 弱小中小企業・和菓子店のモンスターの倒し方 ~経営者VSモンスター 戦い方バイブル~
- 複業、NPO、地域、家族……カイシャだけが全てじゃない。多様なチームに自分のスキルを活かせ!
- 特別講演(サイボウズ社長 × 副社長によるトークディスカッション)
それではどうぞ
CYBOZU DAYS 2019 大阪 Day 2 のレポート&感想
基調講演 モンスターへの挑戦状
基調講演は青野さんと以下の3名の方々が数字の順番に対談を行う形式で進められました。
- 株式会社PHP研究所 PHP新書副編集長 大岩 央 氏
- お笑いジャーナリスト/株式会社笑下村塾 取締役 たかまつなな 氏
- 株式会社minitts 代表取締役 中村 朱美 氏
内容に関しては以下の「でご」さんのブログに非常に詳しく記載されていますので、こちらを参照ください。
※追記2019年12月16日
Ascii.jpさんでも同様の記事が公開されました。
こちらも参照頂けるとさらに内容のご理解が進むかと思います。
※追記ここまで
ここでは僕の心に残ったトピックとそれに関する個人的な感想を記載していこうと思います。
青野さん × 大岩さん
青野さんの著作の話から始まり、全体的には会社で働く上での考え方についてのディスカッションが展開されました。特に僕の心に残ったトピックは以下です。
- 今後は働き方が自由になっていくが、そもそも、どう働きたいのかオープンにしていかないと伝わらない(大岩さん)
- 昔はサイボウズの評価基準にも「遅刻をしないこと」があったが、社員の業績と遅刻の有無に関連性は無いため廃止した(青野さん)
- サイボウズには「質問責任」という考え方がある。この考え方を浸透させるには心理的安全性が大事。ファーストペンギンをキチンと拾う事も大事。(青野さん)
心理的安全性は本当に大事ですよね。「詰める」のはホントにダメだと思います。
青野さん × たかまつななさん
政治と社会についてのお話が展開されました。青野さんが選択的夫婦別姓裁判などを行っているところから繋がっているのでしょうか。特に僕の心に残ったトピックは以下です。
- 何を言うにしても「売れてる人が言うと説得力がある」(たかまつななさん)
- 今後はロビー活動等も学校で教えていってはどうか(青野さん)
- 芸人が政治的な話をするのは極めて高いリスクがある。しかしながらジャンルによっては、さほどの反感を買わない場合もある。とは言ってもやはり基本的には政治的な話は叩かれがち。(たかまつななさん)
- 芸人は超サラリーマン的な働き方。出世のルートも決まっているし、上下関係が非常に厳密で、必ず上を立てなければならない。(たかまつななさん)
- 「たかまつななチャンネル」やってます(たかまつななさん)
正直なところ、サイボウズと関係ある?と言われると、僕にはよくわからないセッションではありましたが社会的価値の高いお話でした。
青野さん × 中村さん
佰食屋というランチ限定かつ100食限定という特殊な運営形態のレストランを経営している中村さんの経営者としての考え方についてのディスカッションが展開されました。 特に僕の心に残ったトピックは以下です。
- 佰食屋では従業員は全員18時までには帰る(中村さん)
- 売上を減らそう。なぜならば人口減少という外部環境の中にある日本企業が日本というフィールドで売上を伸ばすのは無理だから。ただし、工夫によって利益は上げていく。(中村さん)
- 佰食屋の原価率は50%(中村さん)
- 佰食屋では広告宣伝費をまったく使わない。口コミだけ。女性をターゲットにすると口コミが活発になされる。(中村さん)
- 昼しか営業しない、という希少価値で戦っている(中村さん)
- 社員には営業・広報活動はさせない。接客業務に集中して欲しいため。(中村さん)
- ハローワークでしか採用しない。これにより採用コストを極限まで削っている。(中村さん)
- 社員に多様性があると多様な客に対応できるためマニュアルが不要となる。多様性の高い採用を行っていると結果的にそうなった。(中村さん)
- 従業員の自己決定権を大事にしている。例えば佰食屋では社員が希望すれば、いくらでも休みを取ってよい。社員がお休みの場合、売上目標を下げる事により休んでいない社員の負担が増す事を避けている。(中村さん)
「売上 - 経費 = 利益」ですので、確かに売上を伸ばさなくても経費を下げれば利益は上がりますね。個人的には佰食屋は「人口減少という外部環境の中で、どうやって利益を上げていくか?」という点を非常にロジカルに考えていった果てに辿り着いたビジネスモデルである様に思えました。
その様なビジネスモデルを考え出し、さらに、それを実際に形にしたのは本当にスゴいと思います。
ただ「売上を減らそう」というキャッチフレーズはさすがにミスリードじゃないのかなぁ…とも思いました。経費の削減には限界がある(つまり最低でもゼロ円を下回る事は無い)ため、どこかのタイミングで売上は増加させていかないと利益の向上を狙う事は不可能だと考えるためです。
実際、佰食屋も現在4店舗で運営されているという事でグループ全体の売上は向上しているハズです。正確には「1店舗当たりの売上向上策を考えつづけるのは止めよう」となるのではないか…?とか思いました。
星野リゾートのIT戦略に見る経営者が持つべき覚悟
前半が株式会社星野リゾート グループ情報システム ユニットディレクター 久本 英司 氏による星野リゾートのIT戦略に関する講演、後半が青野さんと久本さんによるディスカッションという流れの講演でした。
この講演は以下のスライドに内容が要約されていると思いますので、そちらを張り付けさせて頂きます。
ちなみに講演の最初と最後のスライドに登壇者の久本さんが自ら描かれたという素晴らしいイラストが載せられていました。こちら↓
弱小中小企業・和菓子店のモンスターの倒し方 ~経営者VSモンスター 戦い方バイブル~
京都の和菓子店、株式会社京みずは 代表取締役社長 北川 三四郎 氏による「モンスター社員と戦って倒した記録およびモンスター社員を生み出さないための方法論」についてのセッションでした。「組織に積極的に害を為す社員への対応方法」という他のセッションとは一線を画す生々しいセッションであった様に思えます。特に僕の心に残ったトピックは以下です。
- この話は悲しい出来事の記録。同じ悩みを抱えている方に、この辛い経験を役に立たせたい。
- モンスター社員A氏がおり、B氏の内部告発によりA氏のパワハラと就業規則違反が発覚。A氏は3ヶ月ごとの有期雇用契約であったため、次回の更新をもって契約満了とする事を社長が決断
- A氏の処遇に関しては社労士と綿密な相談の上、契約満了通達を実施
- モンスター社員が生まれる原因は、その人物に情報と権力が集中していること。その様な状況になると、該当社員は情報統制による悪しき人心掌握により権力を絶対のモノとする。
- モンスター社員を放置していると従業員が辞めてしまう。結果、企業の未来が無くなる。
- モンスターを生まないためには一言で言うとホワイト企業になること。働きやすく、心理的安全性が担保されている組織を作ること。
- 情報のオープン化を図るための様々な施策を打つ。報連相の徹底、朝礼の実施、ホワイトボードの導入、壁掛けカレンダーによるスケジュールの明確化、スマホの配布によるIT化の促進、日報の導入など。
「人を幸せにしない経営」の弊害である「従業員の退職による生産性の悪化」に対する具体的な対応事例で、非常に参考になるお話でした。
複業、NPO、地域、家族……カイシャだけが全てじゃない。多様なチームに自分のスキルを活かせ!
前半にサイボウズ株式会社 エバンジェリスト 渋谷 雄大 氏によるサイボウズおよびサイボウズの各種グループウェアの説明、後半にNPO法人チャリティーサンタ 代表理事 清輔 夏輝 氏によるNPO法人におけるグループウェアの活用事例および当該NPOにプロボノという形で関わっているメンバーの紹介、という流れのセッションでした。
NPO法人チャリティーサンタではクリスマスイブにサンタに扮したチャリティーメンバーがご家庭にプレゼントをお届けする…というサービスを提供しており、サンタやサービス希望家族の管理などにサイボウズのグループウェアを利用しているとの事でした。
このセッションではslidoを利用した質疑応答の時間があり、以下の質問および、その回答が心に残りました。
この問いに対して登壇者のお二人は以下の様に回答していました。
- スキル・知識が無い人間なんていないと思う。自分が所属している組織には、自分と同等かそれ以上のスキルを持つ人が多くいるので自分には特筆するスキル・知識が無いと思いがちだが、環境を変えてみると、その人が持っているスキル・知識は意外と貴重なモノだったりする。特にIT系の人は自分の持っているスキルが活かせる機会が多いと思う。
さらに複数のチームに所属するための方法論として最後に以下の2つのアドバイスがありました。
- まず気軽に外に出て欲しい
- 外のコミュニティに触れて欲しい
僕も積極的に色々なコミュニティに接触してみたいと思います。
特別講演(サイボウズ社長 × 副社長によるトークディスカッション)
CYBOZU DAYS 2019 最後のセッションはサイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部長 大槻 幸夫 氏のMCによる、サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野 慶久 氏とサイボウズ株式会社取締役副社長 兼 サイボウズUS社長 山田 理 氏のトークディスカッションおよび聴講者との質疑応答でした。
ディスカッションのトピックはこちら↓
謎のカテゴリ副社長が気になるところです。ディスカッションで印象に残ったのは以下の内容。
- 開発本部が現場の判断により部長職廃止になった。青野さんは応援だけしていたが、副社長は廃止後に結果を連携されて流石に驚いたらしい。
- 株主総会を株主をひな壇に並べ、そこで株主自身にサイボウズの課題を考えてもらう形式に変更した。
- 副社長が深酒の結果、サイボウズ本社内のショップの商品を無断で持ち出す事件が発生し、それが社内でオープンに議論されセキュリティが強化された。サイボウズ社内では、かなりの炎上案件となった。サイボウズでは副社長のインシデントに対して是正策の追求が出来るくらいの心理的安全性がある?
ディスカッション後の質疑応答ではTwitterを通じて聴講者が質問を投稿し、それを大槻さんが選んで読み上げる形式になっていました。で、なんと、僕の以下の質問が選ばれました。
こちらに関して以下の回答を頂けました。
- 売上を気にしていない事はない。ムチャクチャ気にしている。売上目標も設定している。ただ、優先度の問題。売上のために社員の生活等を犠牲にする姿勢は正しくないと感じている。売上よりも社員を優先しているだけ。(山田さん)
- 売上が上げられなくなったら、それは社会に求められていないという事なので解散してしまえばいいと思っている。会社が解散しても社員は転職すればいいだけなので、何も困らない。(青野さん)
これはもう完全に目から鱗の回答でした。特に「求められていないなら解散してしまえばいい」という言葉にはハッとさせられました。まったくもってその通りですね…。思わずリアルタイムで以下のツイートをしてしまいました。
また、本セッション終了後、青野さんに会場の廊下でお会い出来たので、そちらでも直接お礼をさせて頂きました。「求められていないなら解散してしまえばいい」という言葉は、今後の僕の行動に大きな影響を及ぼす言葉になりそうです。
おまけ
セミナーのレポート&感想は以上で終わりなのですが、1点、個人的に非常に印象に残った事がありましたので、それをお伝えして本記事は終わりたいと思います。
サイボウズ、なんていい会社なんだ…。僕は単純なので、こういう優しさにすぐにコロッといってしまいます。
おわりに
CYBOZU DAYS 2019 大阪のレポート&感想は以上で終了です。Day1とDay2の両日共に参加しましたが、非常に学びの多い2日間になりました。関係者の方々に感謝の意を表明させて頂きます。本記事をお読み頂いた皆様におかれましても、なにかひとつでも参考になるものがあれば幸いです。
本日もふらとぴに訪問頂きありがとうございます。
CYBOZU DAYS 2020 にも参加したいと思います。