こんにちは。暑中お見舞い申し上げます。横道それ夫です。
暑中見舞いマナーによると、この時期に暑中お見舞い申し上げるのはマナー違反です。
正しくは「残暑お見舞い申し上げます」ですね。残暑っていうか普通に猛暑ですけどね。
今回は目に見える地雷ゲー『じんるいのみなさまへ』の記事です。
僕が積みゲー化している間にあれよあれよと悪評が響き渡った本作の正体とは…!?
今回はネタバレ防止の配慮は一切していません。バレて困るような内容もないと思いますけど…。
書き出しから既に不穏な雰囲気ですね!それではどうぞ!
じんるいのみなさまへ
概要
日本一ソフトウェアより2019年6月27日発売。Playstation4とNintendoSwitchに対応しています。
少女たちが目覚めた場所は秋葉原のとあるホテル?秋葉原観光に来たはずだけど…なんだか景色がおかしい。
そんなイントロダクションから物語は始まります。
そして
ウイルスの蔓延により人類の約3割が死亡。残された人類はその生活圏を宇宙に移行。
秋葉原で目覚めた少女たちは未来の医学に託されコールドスリープされたウイルス感染者でした。
少女たちが目覚めた時代はコールドスリープから約500年後の世界なのでした。
このような世の中に溢れかえったSF展開を経て物語はクライマックスへと収束していきます。
超絶ネタバレですけどこの手の小説や映画にそこそこ触れたことのある人ならゲーム開始15分くらいでだいたい分かります。
ジャンルは「ガールズアドベンチャー」とのこと。
「茶番劇」って英訳すると「ガールズアドベンチャー」だったんですね!
すべての要素が茶番!
シナリオ&テキストが茶番!
シナリオは概要で書いた通りです。よく言えば「古き良き」ですが、結局のところ「使い古された」ネタをこうも堂々とひけらかせるのはなかなかに剛の者。茶番!
そして物語を読み進めるためのテキストもなかなかに強烈。
少女たちは、街が草木に覆われていようが人がひとりも居なかろうが水が止まろうが電気が消えようがウイルスにより人類が絶滅の危機に瀕していた事実を知ろうが
「わかめって水にいれるとすっごいふえるよねぇ~!」
「灯台モトクラシ―!」
「〇〇ちゃん!あいしてるぅ~!」
みたいなテンションで話し続けます。
「アイ・アム・レジェンド」の世界に「放課後ティータイム」が居ると思えばいいですね!狂気!!
一応ほぼフルボイスなんですけど…読むだけでも強烈なテキストを声に出されるともはやプレイに堪えないので…。
キャストの皆様には大変申し訳ないですが、僕は「ボイスボリューム:0」でなんとか文字だけ読み進めました。
しかしながら、マジで徹頭徹尾、物語の結末までほぼこのテンションなので後半のテキストはほぼ読んでません。茶番!
危機的状況の演出が茶番!
少女たちの意味不明なまでの圧倒的知識量と適応力の高さによって危機的状況のすべてが茶番です。
「食べ物がないぞ」
「投網と釣り竿つくったぞ」
「魚だけじゃ栄養が偏るぞ」
「畑作ったぞ」
「肉が食べたいぞ」
「電気ショックを起こせる罠つくったぞ。捕まえた鹿は血抜きしておいたぞ」
「調味料が欲しいぞ」
「ヒハツモドキはコショウの代替になるぞ。高所に生えてたからハサミと傘とマジックハンドで作った高枝切りバサミを使って回収しておいたぞ」
「火がないぞ」
「瞬間接着剤と繊維の化学反応で生じる熱で着火するぞ」
「道具がないぞ」
「酸化鉄とアルミニウムの化学反応を活用したテルミット法で溶接して作ったぞ」
「鍵がかかってるぞ」
「ピッキングしたぞ」
「水が出ないぞ」
「街の郊外にある浄化装置の異常が原因だぞ。直したぞ」
「燃料がないぞ」
「古紙で代替燃料作ったぞ」
「星空が見たいぞ」
「天体望遠鏡作ったぞ」
「人類は月に移住したぞ」
「トランシーバーとラジオで通信機作ったぞ」
TOKIOかな?
「映画で見た」「学校で習った」「本で読んだ」だいたいこんな理由で習得している(あるいはした)知識でありとあらゆる危機的状況をほぼシームレスに解決していきます。茶番!
一方でコールドスリープ前の生活や家族に関する記憶はない模様。
全体の約2パーセントを占めるシリアス要素が茶番!
物語が終盤に差し掛かり、劇中で世界の真相が明かされる頃(多くのプレイヤーが真相をおおよそ予想してから約3~4時間後)に少しだけシリアスな雰囲気を醸し出すシーンがあります。
それがウイルスに感染した少女たちをコールドスリープせざるを得なかった家族が未来に託したメッセージを発見するシーン。
「もう会えないかもしれない。でもどうか未来で幸せを掴んで。あなたを生んで私は幸せだった。あなたは私の宝物」
とても感動的なメッセージなのですが当の少女たちは家族に関する記憶はほぼ失っています。
結局これに対する反応も…
「この人が私のお母さん?へぇ~」
「わかめって水にいれるとすっごいふえるよねぇ~!」
「灯台モトクラシ―!」
「〇〇ちゃん!あいしてるぅ~!」
的なノリであっさり処理されます。終始ギャグ満載のなかに唐突にシリアスをぶっこむと更に笑いが加速します。
Dr.スランプの則巻千兵衛がいきなり劇画タッチのシリアス顔になるアレですね
本作で生じる笑いは基本的に「苦笑い」です。則巻千兵衛はとんだ風評被害!
ゲームシステムが茶番!
以下の動画で本作のゲームシステムを参照することができます。
- パラメーター
- 一日の活動時間制限
- 空腹度
- 採集
- 釣り
- 狩り
- 料理
などなど、過酷な秋葉原を生き抜くために必要なさまざまなサバイバル要素があります。
が、ゲームをクリアするにおいてこれらの要素は一切必要ありません。
パラメーターは何に影響するか分からないし、活動時間なんて終始持て余すし、空腹によるデメリットは特にないし、結果その他の要素も必要性がないし…。
ちなみに僕は物語の最終盤で「パーティ編成」なる機能がある事実を知りました。
物語の真相を明かされたときよりビックリ!
読み物として以外にゲーム性を挙げるとすれば、左スティック(移動)とR1ボタン(ダッシュ)を摩耗させながら何もないフィールドにある探索オブジェクトを総当たりしていくくらいでしょうか…。茶番!
二周目解禁の伏線回収は有料DLCという発想が茶番!
こんなゲームにもかかわらず周回プレイに対応しています。
そして恐るべきことに二周目で解禁される「もうひとりの生存者」にまつわるエピソードは有料DLCとなっております。
噂によるとこの「もうひとりの生存者」のエピソードに触れると本作に対する評価が少し変わるらしいです。
なお有料DLCとなっております。
作品の評価を覆すような内容なら普通に二周目解禁のトゥルーエンドとして製品に入れとけよ!と「じんるいのみなさま」が思うはず。
茶番…。某スクウェア・エニックスの某ファイナルファンタジーXVかよ
まとめ
スカスカのスタッフロールを見るに、圧倒的低予算かつ突貫工事で発売した作品なんだろうなぁという印象。
それでいてだだっ広いフィールドを縦横無尽に移動させられる探索要素が不可避なのでプレイ時間の3~4割くらいは心を無にして左スティックを倒してR1ボタンを押すゲームです。
第7章は許さん
よっぽど途中でやめようと思いましたが、一抹の希望を信じて&今回この記事に起こすために歯を食いしばってクリアしました。がんばりました。結果はご覧の有り様。
本作は徹頭徹尾「茶番劇」ですが、強いて言えばありとあらゆる状況を安心して眺めていられるというメリットもあります。
あ、これ絶対大丈夫なやつや!
みたいな。
危機的状況を安心して享受したいという人なら本作に挑戦してもいいかもしれません。
でもきっと例に挙げた映画を観た方が圧倒的に有意義な時間を過ごせることでしょう。
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!
じんるいのみなさまへ 本記事内で例に挙げた映画作品は すべて名作です