こんにちは。RPGだけは積みゲーしてはいけないと思いました、横道それ夫です。
積みゲー消化に勤しむ横道それ夫が、ついに『閃の軌跡』シリーズを複数作クリアしました!
そのなかから『英雄伝説 閃の軌跡I:改 -Thors Military Academy 1204- 』をレビューいたします。
僕がクリアしたのはPS4版ですが、奇しくもつい最近ニンテンドースイッチ版が発売したみたいなので、購入前の参考にもなれば幸いです。
ネタバレ要素はありませんので未プレイの方も安心です!
英雄伝説 閃の軌跡I:改 -Thors Military Academy 1204-
RPG好きならご存じ、日本ファルコムの「英雄伝説シリーズ」のひとつです。
その中でも『空の軌跡』『零の軌跡』などと同じ「軌跡シリーズ」に分類されます。
「英雄伝説シリーズ」の「軌跡シリーズ」の「閃の軌跡シリーズ」の第一作目です!!よくわかりませんか?僕も少し混乱します!!
本作は2018年にPS4版が発売されました。こちらは2013年にPS3とPSVitaで発売された『英雄伝説 閃の軌跡』にDLCを収録・PS4への最適化・高速モードの搭載等を施したバージョンアップ版です。
そしてつい先日、2021年7月8日にニンテンドースイッチ版も発売されました。こちらはPS4版をベースにスイッチへの最適化を行っているとのこと。
公式に記載はありませんが、PS4Pro向けに4K対応していた部分については、スイッチへの移植に際してオミットされていると思われます。(スイッチの最大解像度が1920×1080ピクセルのため)
あらすじはこんな感じです↓
《革新派》と《貴族派》の対立により緊張が高まる軍事大国《エレボニア帝国》。名門《トールズ士官学院》に新設された《特科クラスVII組》の一員に選ばれた新入生リィン・シュバルツァーと《VII組》の前には、波乱に満ちた学院生活が待ち受けていた──!
英雄伝説 閃の軌跡I:改 -Thors Military Academy 1204- | My Nintendo Store
RPGのなかでも「JRPG」に分類される、非常にオーソドックスなRPGです。
戦闘システムも瞬発力や反射神経を必要としないシンプルなコマンド式なので、操作面で煩わしさを感じることはまずないでしょう。
いいところ&ちょっとダメなところ
いいところ
- 士官学院を舞台におおよそ無難にまとまったストーリー
- NPC含めすべての登場人物に魅力&存在感あり
- 日本ファルコムお得意の上質なBGM
- システムを理解すればかなり爽快なバトル
- 「高速モード」&各種スキップ機能で周回プレイもラクチン
ちょっとダメなところ
- これがホントの「おつかいゲー」
- 唐突に迎えるエンディング
- システムを理解すれば多くの敵を完封できるバトル
- キャラのモーションが結構ダサい
- 「高速モード」オフでのプレイはとても無理
いいところ深掘り
「いいところ」について、下線部分を少し深掘りしてみます。
士官学院を舞台におおよそ無難にまとまったストーリー
本作は近隣国への侵攻を企む勢力の台頭や、現政権の転覆を目論む組織の暗躍など、さまざまな思惑が渦巻く「エレボニア帝国」が舞台となっています。
そうすると、重厚な政治的駆け引きやドロドロの人間ドラマを期待しそうですが、基本的にはそういった暗い部分が描かれることはあまりありません。
基本的には主人公「リィン」を中心とした「トールズ士官学院」の生徒たちを中心としたジュブナイル的なストーリーです。
まだまだ成長途中であり、世界を変える力を持たない彼らが、そういった陰謀渦巻く帝国でどのように成長し、活躍していくのかといったところが本筋です。
物語の中でも残酷性はそこそこ排除されており、敵勢力においては、どう考えても「手ぬるい」「詰めの甘い」立ち回りが多く見られます。そういったご都合主義的部分を楽しめるかどうかで好みは分かれるところですが、僕は無難な少年誌マンガのような展開が結構好みなのでプラス評価にしました。
主要キャラが10代ということもあり、学院での友人同士の衝突や、親への反発、そこからの成長といった青臭い&眩しすぎる展開がいっぱいです。もちろん恋愛要素も。こんな青春を送りたかったなぁ…。
NPC含めすべての登場人物に魅力&存在感あり
本作に限らず、日本ファルコムの作品の強みとも言えるのですが、劇中の登場人物に「物語性」や「生活感」を持たせることが非常に上手いです。
NPCひとりひとりに名前があり、物語の展開によって話す内容や関係性が少しずつ変化していきます。「ここは〇〇の町です」しか言わないような捨てキャラが一切いません。
特に士官学校の生徒と先生は異様にキャラが立っているので、主要パーティメンバー級の存在感があります。
このように丁寧に作りこまれたNPCの存在は、作品の世界観や物語の進展に説得力を持たせることに一役買っています。
物語の節目節目で全NPCに話しかけたくなるので、プレイ時間の増加にも一役買っています。
主要キャラでは「ガイウス」と「ユーシス」が好きです。本作の舞台である帝国の文化や価値観を考えると、主人公「リィン」より主人公っぽい気がしました。
NPCなら「ヴィヴィ&リンデ」姉妹が可愛いですね。
ちょっとダメなところ深掘り
「ちょっとダメなところ」のうち、下線部分についてもう少し詳しく書きます。
これがホントの「おつかいゲー」
物語を進めるうえでアッチへコッチへ行ったり来たりさせられる展開が含まれるものを「おつかいゲー」と呼ぶことがあります。
「その薬は村人Aが持っているんだ」→「村人Aは村長の家に向かったらしいぞ」→「村人Aは村人Bを助けに村外れの寺院に行ってしまった」→「村外れの寺院に入るには村人Cの持つ鍵が必要だ」…みたいなやつですね。
ことRPGにおいては、ある程度の「おつかいゲー」になるのはやむを得ないところですが、本作の「おつかいゲー」はちょっとニュアンスが違います。
- なくなった生徒手帳を探して
- 野菜足りないから買ってきて
- 誤配送の荷物を届けなおして
はい、本当の意味での「おつかい」を山ほどすることになります。
本作の主人公たちが成長途中の士官学院生徒であり、街の人たちの困りごとを助ける役割を与えられていることを差し引いても、流石にどうなんだ?というレベルのおつかいイベントが多く存在します。
こなした回数がそのまま各章の評価に、評価の積み重ねが入手できるアイテムの質に、と繋がっていくので、必須のものとそうでないものがあるとはいえ、ある程度の「おつかい」はせざるを得ない感じになってしまいます。
もちろん、こういうクエストばかりではありませんけど。
唐突に迎えるエンディング(少なくとも次作までプレイ必須)
これは有名なのでご存じの方も多いかもしれませんが、本作で『閃の軌跡』は完結しません。
シナリオは途中も途中。とてつもないところで幕が下り、物語は完全なる続編の次作『閃の軌跡II:改-The Erebonian Civil War-』へと続きます。
本作の物語をひと段落させるには少なくとも次作までプレイする必要があることは知っておいた方がよいと思います。
ちなみに、次作も「ひと段落」であって「完結」ではありません。
これを「ボリューム満点」と捉えるか…「引き延ばし」と捉えるか…は、お任せします!
幸い、ニンテンドースイッチ版の『閃の軌跡II:改-The Erebonian Civil War-』も2021年8月5日に発売されます。正直、連続プレイ推奨です。
システムを理解すれば多くの敵を完封できるバトル
特に「相手の行動を遅らせる効果」「味方の行動後の硬直を軽減する効果」の有効性が理解できると、戦闘バランスが著しく味方有利に傾きます。
敵味方ともに、各行動にウエイト(ここでは「行動までの待ち時間」と「行動後の硬直」の意)が設定されているのですが、先述の効果を活用していくと、敵にまともに行動する機会を与えず、ほぼ一方的に殴り倒すことができてしまいます。
このバランスを爽快な「いいところ」と考えるか、調整ミスの「ちょっとダメなところ」と考えるかは、プレイヤーがゲームに求めるものによってかなり違ってくるところかと思います。
僕も通常の雑魚バトルは爽快と感じた一方で、シナリオのなかで強敵と言われる相手を完封できてしまったときは、ちょっと「うーん…」となりました。
よくネタにされてますけど、ほぼノーダメで相手を倒したのに戦闘終了後に「くっ…なんて強さだ」みたいなイベントが始まるのは完全にギャグ。
その他「軌跡シリーズ」との繋がりについて
本作『閃の軌跡』をプレイするにあたり、気になる人が多いポイントではないかと思います。
ハッキリ言います。これでもかというくらい過去の「軌跡シリーズ」との繋がりは、あります。
そもそも本作を含む「軌跡シリーズ」が時代と世界観を同じくした作品群であり、近い時期に異なる地域で起きた「一方その頃」の集合体のようなものです。
が!!
本作の主人公「リィン」を中心とした物語について、ということであれば本作からのプレイで問題ないと思います。
僕も『零の軌跡』と『碧の軌跡』は未プレイ。『空の軌跡』はPCで遊んだことがありますが、キャラの名前も地名も完全に忘れた状態でした。
現在、『閃の軌跡Ⅲ』までプレイ済みですが、過去の「軌跡シリーズ」からの登場人物については「知っていれば楽しめるが、知らなくても何となく察せられる」くらいのレベルにギリ留まっている印象です。
ただ、流石に本作を飛ばして、いきなり『 閃の軌跡II:改-The Erebonian Civil War-』以降からはじめるのはオススメできません。というか、やめておきましょう。
おわりに
王道展開のストーリーが好きな人で、比較的時間に余裕がある人には結構オススメできます。
ただ繰り返しになりますが、本作ひとつでは『閃の軌跡』はまったく完結しないのは要注意です…。
新鮮なゲームこそ体験ありませんが、「こういうのでいいんだよ」と思えるイイ作品でした。
本作を一言でいうと「壮大な佳作」ですね!遊んで損はない!
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!
最新作『黎の軌跡』(くろのきせき)にも『閃の軌跡』シリーズから参戦するキャラがいます。割とキリがないのでは。