こんにちは。メイド全盛期の秋葉原でメイド喫茶に行ったことがあります。横道それ夫です。
さて、今回はインディーズ系恋愛ADV作品『アイドルカフェを経営しませんか?』『アイドルカフェを経営しませんか?2』の2作品をまとめて紹介&レビューします。
大きなネタバレは含みませんので、購入前の参考にもお読みいただけるかと思います。
なお、本記事の内容はNintendoSwitch版に準拠します。
『アイドルカフェを経営しませんか?』『アイドルカフェを経営しませんか?2』
概要
発売元はGamuzumi(公式サイト・Twitter)という海外パブリッシャー。個人的には「海外のギャルゲーメーカー」みたいなイメージの会社ですね。
以前、本連載で紹介した『サクラ水泳部 ~転校生の決意~』もここの作品。
『アイドルカフェを経営しませんか?1』(本来「1」は付きませんが便宜上)の発売は2021年11月。『アイドルカフェを経営しませんか?2』の発売は2022年3月3日。
国内ではNintendoSwitchとPlaystation4・5でプレイ可能で、いずれもダウンロード版のみ。インディズ系では珍しく、今のところSteam版がないようです。
NintendoSwitch版の価格は1・2とも定価1,000円です。
ちなみに『アイドルカフェを経営しませんか?』と『アイドルカフェを経営しませんか?2』は登場人物・世界観を同じくする完全な続き物です。
3人の美少女と1人の少年。あれよあれよとアイドルカフェを経営することに!?
本作は、高校を卒業したばかりの少年ナオヤが、カフェで働きながら3人の美少女との関係を築き上げていく恋愛ADVです。
☆ストーリー☆
高校時代のナオヤは不良だった。髪の毛を脱色し、ヤンキーとよく喧嘩をしていた。反抗期を脱した彼は希望する大学に入学することができず、進学を保留して、幼なじみのイチゴの家に身を寄せることに。イチゴが大学に通っている間、ナオヤは家計の足しになればと思い、地元のカフェでアルバイトをすることにした。仕事場で問題を抱えた2人の可愛いウェイトレス「マユキ」と「クウ」はナオヤをなかなか受け入れてくれないが、2人と交流を重ねるごとに親しくなり、友情が芽生えていくのであった。
しかしその裏では、ナオヤが築いてきた居心地の良い新生活や、イチゴ、クウ、マユキとの関係を脅かすトラブルが発生していた…
アイドルカフェを経営しませんか? | My Nintendo Store
タイトルや引用元に「経営」というワードが入ってますが、シミュレーション的な要素は全くありません。テキスト&選択肢で進んでいくスタンダードなギャルゲーです。
そもそも主人公はアルバイトの「ウエイター」なので、経営に関われるはずもないのですが…。
翻訳は及第点
表現に若干の硬さは感じますが、読んでいて意味不明なテキストはほとんどありません。
1のクライマックスで誤字があったり、2で翻訳されない原文(英語)が表示されたりしますが、通常読み進める分には問題ないでしょう。
ただ、気になったのが1・2ともに、やたら不穏な例え話が多い点。
- 人を刺したことでもあるのか
- 連続殺人犯みたいな顔
- 死体の目みたい
- 過労死する方がマシ
- そんなのは自殺もの
ギャルゲーのテキスト回しにおいて、ブラックなジョークが含まれるのはある程度お約束ですが、本作では全体のボリュームに対してその頻度が高い印象です。
もうちょっと言い様があったのでは…
プレイ時間は1作品2時間ほど
本作にはキャラクターボイスがありません。
選択肢もあまり考えることのないシンプルなものばかりなので、かなりテンポよく読み進めることができます。
結果、プレイ時間は約2時間。文章を読み慣れている人ならもっと早くなるかもしれません。
ルート分岐も一部テキスト変更&エンディングの変化程度なので、搭載されている爆速既読スキップを使えばすぐにコンプリート可能です。
この価格帯のこのジャンルにボリュームを求めるのはお門違いだと思います。
キャラクターデザインは秀逸、ただし
1・2ともキャラクターは可愛らしく仕上がっています。
なお、ビジュアル担当は同じ方のはずですが、メインの「マユキ」「クウ」「イチゴ」と、2から登場する「ハサキ」と「リナ」は若干絵のタッチが違います。
ビジュアル担当は個人じゃなくてチームなのかも?
1については、立ち絵とイベントスチルの雰囲気が統一されており、全体的に高評価です。
一方、2はというと、立ち絵で着ている水着はビキニなのにスチルではワンピースになっていたり、水着姿がいきなりTシャツ姿に変わっていたりと、整合性の取れていない場面がチラホラ。
スチルに1からの使いまわしがあるなど、2のビジュアル面はややマイナスが目立ちます。
あと、2は立ち絵とスチルの絵のタッチが違ってしまっているので、1のビジュアルが気に入った人からすると少し違和感があるかもしれません。どっちもかわいいんですけどね。
さらに補足すると、本作は1・2とも「CERO:D」ですが、ビジュアルはそれにあるまじき健全っぷりなのでご安心ください…。
別に怒ってないです(怒)
愛すべきツッコミどころの数々
本作にはツッコミどころが山ほどあります。
本作に大きな期待を以て臨めば、これらはネガティブ要素になりかねませんが、「そういうものだ」と思ってプレイすると、すべて愛すべき要素だと言えます。
ハイライト的に紹介しますので、詳細はぜひプレイして確かめてほしいところです。
- 世の中のウエイターに対する熱い風評被害
- クソでかフォントのキャラ名
- そのフォントサイズでまさかのゴスロリをゴスゴリと誤字
- 2から登場する神崎蘭子の解釈違い下位互換みたいなキャラ
- 喫茶店もの(のはず)なのにイベントのほとんどが店外で起きる
- 結果、ヒロインは作中のほとんどが制服(メイド服風)ではなく私服
- 選択肢によっては主人公がかなりの畜生ムーヴをかます
- ストーリーはパート3に続く
はぁん?じゃあ、3も買います
まとめ
真面目に展開や伏線を読み進める作品ではありません。
「ご都合主義」や「ベタベタの展開」をケラケラ笑いながら鑑賞する系の作品です。
とは言いつつも、登場人物の挫折や苦悩、それを乗り越えるための努力などもある程度は描かれており、完全な「バカ系ギャルゲー」というわけでもありません。
僕のように、
みたいな気分になった際に、手に取ってみるといいかもしれません。
そんなニーズに応えてくれた、本作の評価は…
星3つ!★★★☆☆!
こういうのでいいんだよ、たまには。
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!