こんにちは、横道それ夫です!
今回はNintendoSwitchで遊べるサスペンスADV『人形の傷跡:姉の謎を追うサイコホラー』のレビュー記事をお届けします。
シナリオに関する重大なネタバレは含みませんが、一部展開について言及する箇所があります。
人形の傷跡:姉の謎を追うサイコホラー
概要
2022年8月18日にマイニンテンドーストアで配信開始されました。
ダウンロード専売で、定価は1,500円。
本記事が掲載される2023年5月31日時点でセール対象になっており、2023年6月14日23時59分まで40%オフの840円で購入可能です。僕も以前セールで購入しました。
販売元は神奈川県横浜市に拠点を置く株式会社マメクジラという会社です。
本作のようなゲーム開発以外に、イラストやWebページ制作、営業代行にコンサルティング業務など幅広い活動をされている会社のようです。
インディーズの先駆的なADVが24年ぶりに蘇る。
失踪した姉はどこに消えたのか?『人形の傷跡』は1998年にChild-Dreamが製作し、異例のヒットを記録した本格サイコサスペンスADV。心理的に迫るホラー要素とドラマ性の高いシナリオで、ミステリー専門誌に掲載されるなど話題になり、インディーズ・アドベンチャーの先駆的な存在となった。
【Nintendo Switch™でのリメイク】
・作曲家・大嶋啓之氏の「飛ぶ夢を見ない」、大石輝恭氏の
「少年」をメインテーマに。原作の人気BGMをリマスター
・物語後半を大きく追加、
さらにサブキャラ視点でのザッピングシナリオを実装
・キャラ、スチルなどすべてのグラフィックスを刷新
・ホラー要素のON/OFFが可能、ホラーが苦手な人も安心仕様【ストーリー】
東京の大学院に通う姉からの一切の連絡が途絶えた。心配になった妹の上条明日美は、姉の安否を確かめるべく、単身、上京する。しかし、姉の研究室、アパートには、姉のいた一切の痕跡が無くなっていた。途方に暮れる明日美。一体、姉の身に何が起こったのか……?
姉を探し出す強い決意をした明日美。しかし、彼女は自分の身に迫りつつある恐怖を知る由もなかった。■Child-Dream /株式会社ミスタ・ストーリーズ
http://www.child-dream.net/
1997年より物語性を重視したRPG、アドベンチャーゲームを中心にPC用ゲームを制作、ヒットを受け、株式会社化。Nintendo Switch™用「千里の棋譜~現代将棋ミステリー」では人気棋士が多数出演、将棋界の熱いドラマに感動の声多数。※メーカーによる説明です。
人形の傷跡:姉の謎を追うサイコホラー | マイニンテンドーストア
メーカー曰く、ジャンルは「サイコサスペンスADV」とのこと。
テキストを読み進めて、時々でてくる選択肢を選ぶことで以降の展開が変わっていくというシンプルな形式の作品です。
ちなみに本作はマルチエンド的な分岐はなく、「間違った選択肢=ゲームオーバー」というひとつの結末に向けて物語を読み進めていくタイプです。
リメイク前の原作がPCでプレイ可能みたい。気になる方はコチラをご覧ください。
対応言語とプレイ時間
言語は今のところ日本語のみ対応しています。
キャラクターボイスはありません。
プレイ時間は選択肢のミスによるやり直しを含めて本編が4時間くらい、本編クリア後に解放されるザッピングシナリオでプラス1時間の合計約5時間くらいでしょうか。
ただ、声無しのテキストADV作品は活字慣れしているとかなりサクサク読み進められるので、人によってはもっと早く読み終わるかもしれません。
僕自身は小説を読むのはあまり早くない方だと思います。
本作のいいところ
読みやすいテキストが紡ぐ緊張感のある展開
ライターさんの文章が巧いので、次へ次へと読み進める楽しさがありました。
「行方不明になった姉を探す」ことから始まる物語は、様々な違和感や不可解な出来事を通じながら思わぬ方向に展開していきます。
「ふふん、この展開…読めたぜ!」と思いきやそれを裏切る予想外のアレコレ。
どう予想外なのかは読んでのお楽しみ。読み物としてハイクオリティですよ。
しっかりリメイクされたビジュアル
元は25年前の作品ですが、それを感じることが殆どないくらい丁寧に作り直されています。
キャラクターのビジュアルは野暮ったさを感じない今風に近い雰囲気で描かれなおされています。
また、背景(写真を加工してイラストっぽくしている)については最近の写真が使われているようで、物語の時代設定こそあれ、見た目にはそれほど古臭さや違和感を覚えることはないでしょう。
25年前といえば携帯電話が普及しだす頃でしょうか。なので「公衆電話から家に電話する」みたいな描写が普通に登場します。
本作のちょっとダメなところ
リアル志向の読者には不向きかも
当然ながら本作の物語はフィクションですが、それにしてもややフィクション感が強いです。
物語として破綻しているわけではないのでツッコむのは野暮かもしれませんが、「なかなかそうはならないんじゃないかなぁ…」なシーンがチラホラ。
何を書いてもネタバレになりかねないのですが、そう簡単に人を〇〇したりできるものでしょうか…?
また、1週間(ゲーム内での経過)という期間に集約するには物語のスケールが結構大きいです。
話をテンポよく進めるために主人公を含め多くの登場人物たちの行動に妙に無駄が無く、その点がややご都合主義に感じるかもしれません。
なので「もしかしたらこういうことが現実にも起きるかも」的な物語を好む方には、やや不向きな作品に思います。こればかりは好みの問題ですね。
総評
読み物として上質なので、極度の活字嫌いでなければ多くの人にオススメできる作品です。
『金田一少年の事件簿』とか好きな人なら特にオススメ!
系統は違うんですけど、なんか「それっぽさ」を感じたのです。
プレイ時間から見ると定価での購入は少々割高感がありますが、定期的にセールの対象にもなってるので、その時に購入できれば十分な満足感を得られると思います。
文庫本1冊読むくらいの気分でプレイしてみてはいかがでしょうか。
本作の評価は星4つ!!★★★★☆!!