こんにちは。横道それ夫です。
今回は巷で話題沸騰の格ゲー『ストリートファイター6』に関するエッセイをお届けします。
なお、僕はランクマッチ200戦ほどを経て「GOLD☆☆☆☆☆」くらいのプレイヤーです。
実際のデータや検証結果に基づかない主観による記述が多く含まれることを予めご了承ください。
おれは格ゲーをやめるぞ!
直近で『ストリートファイター5』や『KOFXV』などいくつかの格ゲーを遊んでいた際に、「あぁ、このジャンルで得られる楽しさや快感は自分の中では頭打ちかな」という気持ちが強く湧きました。
単純にゲーム自体に割ける時間が少なくなり続けるなかで、格ゲーにありがちな「作品を楽しむために自身のスキルを磨く努力をする必要がある」というところにモチベーションを維持できなくなってきたのです。
格ゲーはスポーツ的な側面が強いです。基本ルール・操作技術・実践のための経験などを積み上げていく必要があり、深く楽しむため、何より対戦で勝つためにはストイックさが求められることが多いです。
事実、格ゲーを通じて仲良くなった昔なじみの友人からは、
格ゲー初心者の「勝てないからつまらない」とかホント笑える。野球未経験者が部活に入ってレギュラーになれないから面白くないって言ってるのと同じ。甘え。
といった言葉を聞いたこともあります。
それはそうかもしれんけど…疲れたよ。ユルく遊べるゲームがいい。もう格ゲーは買わないと思うわー。
忍法「掌返し」
そんなこともあり、発表当初から発売直前まで、『ストリートファイター6』(以下、スト6)については殆ど関心がありませんでした。
唯一、『恋しさと せつなさと 心強さと』の新バージョンが発表されたことに盛り上がったくらい。
なので、発売日を迎えても「ふぅん、出たんだ」程度。
このままスルーして格ゲーともオサラバだぜ…と思っていたのですが。
何やらスト6が凄いらしいでござる。オープンワールドみたいなモードやゲームセンターもあるらしいでござる。格ゲー初心者も楽しめる要素が満載でござる。
Twitterにはこんな書き込みが多数見受けられました。
従来の対人戦に加えて、どうやらソロプレイやコミュニケーションツールとしての充実を図る試みが多数実装され、格ゲー未経験者をサポートするアレコレも備わっているとのこと。
へぇ、凄いね。盛り上がるとイイねー。僕ぁ、もういいかなぁ…。
買ったよー!楽しー!
買ったわ。これはイイ。
スト6買ったのでフレ募です♡
えーーー!買うぅぅぅぅ!!!
スト6、買いました。
それにしてもモダンタイプの実装は英断だと思う
スト6では、従来の操作方法である「クラシックタイプ」に加え、新たに「モダンタイプ」という操作方法が搭載されています。
通常のレバー(十字ボタン)によるコマンド入力を省略し、必殺技や連続技の入力を簡易にする操作方法です。
詳しく知りたい方はカプコンの基本操作ページをご覧ください。
正直、さほど注目していなかった新たな操作方法ですが、オンラインで対戦して感心しました。
SILVERランクでモダンタイプの方を相手にしたところ、立ち回り的には隙があるのに、正確な対空技による飛び込み潰しや差し込んでくるコンボの精度によって普通に負け越した試合が何度もあったのです。
そこ、「お前が弱いだけ」って言うな。
僕は基本的にクラシックタイプを使用していますが、何度か出会ったモダンタイプ勢の強さが気になったので少しそっちも試してみました。
なるほど。誰でもすぐ勝てる!ほどの万能さはありませんが、モダンタイプであれば「ここは対空技が有効だ!」「今がチャンスだ!」という簡単な知識と閃きがあれば、コマンド入力に自信がなくとも高い精度で有効打を与えることができそうです。
ゴルフで例えると、距離に合わせたクラブ選びとインパクトのブレをサポートしてくれるような感じでしょうか。
フェード・ドローやバックスピンみたいな複雑なことはできませんが、ゴルフ場でクラブを気持ちよく振りぬいてフェアウェイキープ、他の人とコースを回る楽しさを感じることができる…みたいな。
これによって格ゲー初心者に立ちはだかっていた「必殺技コマンドを覚えてそれを適時正確に入力できるようにならないと対戦のスタートラインに立てない」問題が相当改善されています。
遊びやすさや取っつき易さが凄い。「タイパ」に代表される効率重視の方が増えた現代においてコマンド入力の反復練習が必要性なくなる「モダン」とはなるほど言い得て妙ですね。
僕の知る他の格ゲーにも初心者向けの操作方法が実装されていたことはありましたが、それらと比較しても操作をサポートしつつ、対戦で生まれる駆け引きの面白さも伝えられるという点でかなり優れていると感じました。
一方で、否定的な意見があるのも分かります。
特に長年格ゲーを遊んできて、自らの技術を粛々と磨き続けてきたプレイヤーからすれば「歩きスクリュー」だの「見てから昇竜余裕」だのを初心者・中級者がやってのけるのは面白くないかもしれません。
また、必殺技のコマンド入力ミスがまず起きないモダン操作においては、一部の優秀な必殺技を擦り続けることで相手を圧倒できることもあります。
特に後者は相手の狙いや立ち回りへの対処方法が分かっていない初心者帯でこそ猛威を振るいますね。初心者サポートが初心者を追い詰めるのはちょっと皮肉です。
まぁ、僕自身も「はいはい、モダンだから対応できたんでしょー。」みたいなことをブツブツ言ったことは1度や2度ではありません。
しかし、いかにモダンタイプが簡易入力とはいえ、実際にヒトが反応できないような理不尽な超反応や切り返しができる訳ではなく、振り返ってみればやはり「自分のプレイに隙があっただけ」の話。
こちらのジャンプの上り際をジェノサイドカッターで潰してくる昔懐かしオメガ・ルガールになれる訳ではないのです。
「モダンだから」を勝ち負けの理由にするなら自分もモダンタイプを使用すればいいだけの話ですし。
すべて自分に言い聞かせています。
少なくとも僕がいるレベルでは、対戦を破綻させることなく既存プレイヤーと新規プレイヤーを繋ぐシステムとして有効に機能している印象です。
気軽に駆け引きを楽しめるので、初心者だけでなく気軽に格ゲーをプレイしたい既存プレイヤーにもおススメですよ。
あと、モダン操作はPSやXBOXなどのパッドでの操作がめっちゃやり易いです。
もろもろ含めて、古参は古参で満足させつつ、今までハードルが高くて尻込みしていた「格ゲー、興味はあるけど…」勢も取り込む画期的な操作方法ですね。
アケコンを引っ張り出すのが面倒なときでも手軽に操作できるので、フレンドとの対戦やカジュアルマッチではモダン操作を使うことが結構あります。これだけでも遊ぶモチベが上がりますね。
ただ、クラシックと併用する場合はそれぞれの操作方法で使うキャラを分けた方がいいです。
『ストリートファイター6』、格ゲー界を再び盛り上げようとする気概と、格ゲー界の先駆者としての矜持を感じさる作品です。
その熱量に僕の格ゲーモチベーションもジワジワと上がってきています。
非常に間口の広い作品になっているので、興味がある方はぜひ!!