前回に続き三八九日記からです。
雪の夕べをつゝましう生きてゐる
この日、日記はこんな記述で始まっています。
『いつものやうに、御飯を炊いて、そして汁鍋をかけておいて湯屋へ。』
空になった椀を両手で静かに置く。
温もりを感じながら、ごろりと横になる。
曇った窓ガラスに目をやると、止んでいた雪が、夜更けになってふたたび降り始めている。
それを見るともなしに見ているうち、いつしか眠っている。
山頭火さん、そんな一年の始まりでしょうか。
いつものように、そうですか。
いつかのように、そうですか。
いつかの、いつものように。そうですか。
皆様も温かくして、お体ご自愛ください。
本年もよろしくお願いいたします。