山頭火さんの今日の日記には、快晴とあります。かんかん照りつけるともあります。
暑さきはまり蝉澄みわたる一人
なんだか、暑さのその向こう側へ、突き抜けた、涼しげで気持ちいい句ですね。ちがうか。
私は現在、『澄み』以外ほぼこの句と同じ状況です。
暑さ極まってますし、蝉がジャワジャワ鳴いてますし、一人ですし。
ただ、突き抜けていないので。暑いままです。
ガリガリくん、3本目を齧りながら書いています。
ソーダ味、九州みかん味、ときて、今コーラ味です。
どうでもいいですか、すみません。
さらにどうでもいい話ですが、この夏、近所のスーパーでは、梨味を見かけません。
大丈夫でしょうか。
どうでもいいですか、すみません。
山頭火さんの今日の日記に、『即興詩人(森鴎外訳)も面白い、クラシツクのよさが、アンデルゼンのよさが、鴎外のよさが、私を興奮せしめる。』とあります。
アンデルゼンとは、童話で有名なアンデルセンさんのことです。
『即興詩人』は、童話作家になる以前に発表していた小説です。
『人魚姫』とか、『マッチ売りの少女』とか、『みにくいアヒルの子』とかの。
その前があったの?と言う感じですよね。
ざっくり言うと、『即興詩人』という小説は、主人公アントニオさんが、運命とかに振り回されながら、あっちゃこっちゃイタリアの名所に行く話です。
ざっくりしすぎて、森鴎外さんに、怒られそうです。
「わしゃ、10年がかりで訳したんやぞ」
すみません。すみません。
山頭火さんが、この本を読んでいたことに、ちょっと驚きと、それなりに納得です。
実は、これ、私も読んだことがあります。
私が読んだのは、安野光雅訳の『口語訳 即興詩人』ですが。
主人公のアントニオさんは、西欧の放浪、流転界隈では大御所の一人ですね。
ランボー、スナフキン、アントニオ。
あと、ジャン・ジュネとか、
もっと色々いらっしゃいますが、その話は、またいつか。
山頭火さんが興奮して読んだのも、納得です。
いうなれば、山頭火さんは、即興俳人でしょうからね。
うろうろしながら、創作活動する人同士で分かり合える、何かがあるんだと思います。
放浪、流転。
夏になると、この辺りの心がくすぐられるんですよね。
旅に出ますかね。
あるいは、まだ、読んでいない、この手の本を読みますかね。
とりあえず、ガリガリくん梨味を探しに、隣町のスーパーまで行ってみます。
どうでもいいですか、そうですか。
暑さのせいですか、ちがいますか。
いずれ澄んできますか、そうですか。