山頭火さん、其中庵から九州方面の旅に出ています。
2月19日出立して今日2月24日は福岡県八幡(現北九州市)の知人宅にいます。
私も教科書で習った製鉄の町です。
日記には『製鉄所の煙突と煤煙とを鑑賞する。』などとあります
煙突見物の帰りでしょうか。
道に迷って入り込んだ、裏通りの片隅。
誰にも顧みられない水の中に、何かの気配を感じ、足を止める山頭火さん。
水の中を覗いてみると、
こんな水にも春の金魚が遊んでゐる
そんな一句でしょうか。
水温が上がってくると、冬の間あまり動かなかった金魚は活発に動き出します。
金魚の様子から春の気配を感じたんですかね、山頭火さん。
ところで、金魚は自然界にはいません。
冬を越したこの金魚はどこからきたのか。
屋台の並ぶ夏祭りの縁日。
金魚すくいの屋台。
浴衣の子供が夢中で掬った金魚。
持って帰ったものの、家に金魚鉢がなくて、飼うことができず、そっと水の中に放したのでしょうか。
金魚、遊んでましたか。そうですか。この冬を生き抜きましたか、そうですか。