山頭火さん、其中庵です。
この年の11月は1日と2日、二日分しか記録を残していません。
さらに、2日は句を三句書き残しているだけで日記はありません。
そんな、秋の日の一句。
月夜あるだけの米をとぐ
前日の日記には、こんな記載もあります。
『買い物また買い物、買へるだけ買つた。
火鉢 三十銭 五徳 八銭……
白米 四十八銭 酒 八十五銭
いそがしくてうれしい、うれしくていそがしい』
火鉢、今年買ったの?、去年の冬どうしてたの。という疑問はちょっと、置いておいて。
昨日から、今日にかけて、山頭火さんのテンション、ちょっと変に感じます。
躁状態とでもいいますか。
もちろん、落ち込んだ様子の人は心配ですが、この時の山頭火さんのように、普段とは違う、変に躁状態の人は、もっと心配です。
山頭火さん、次の日記の記述も、12月廿七日まで飛びます。
その中に、『私は存在の世界に還ってきた、』という記述があります。
この二ヶ月あまり、山頭火さんの中身はどこに行ってたんですかね。
まあ、とりあえず還ってこれてよかったですけど。
こういう時は、多分、自分でもその少し前のこと、よく覚えていないんだと思います。
だから日記も残っていない。そう思います。
手帳にぽっかり空白の部分があり、その時の事が全く思い出せない。
私にもそんな経験があります。
周りにいたであろう人に聞けば、わかるのでしょうが、怖くて聞けませんでした。
まあ、多分、風邪かなんかひいて、何日か家で寝てた&その勢いで、仕事さぼった。とかでしょうけどね。
迷子になったようですか、そうですか。
じっとしていられませんか、そうですか。
ちょっとそこに腰掛けて、お茶でも飲みませんか、どうですか。