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この本の概要について
本の概要に関しては商品説明に書いてある内容の通りです。引用します。
任天堂の元社長、
岩田聡さんのことばをまとめた本です。ほぼ日刊イトイ新聞に掲載された
岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。 (ほぼ日ブックス) Kindle版|Amazon.co.jp
たくさんのインタビューや対談、
そして任天堂公式ページに掲載された
「社長が訊く」シリーズから重要なことばを抜粋し、
再構成して1冊にまとめました。
なお、この本は「ほぼ日刊イトイ新聞」が発行しており、サイト上にこの本を題材にしたコーナーもあります。以下です。
この本に関する基本的な情報は上記のAmazonのページ、もしくは「ほぼ日」サイトに記載されていますので、そちらを参照願います。以下、この本に対する僕の感想です。
感想
いきなりメタ的な感想になってしまい申し訳ないのですが、この本を読んで最初に思った事は「編集力がスゴい」という事です。というのも、この本は「故人の一人語り」という体裁で構成されているため、編集者の力量次第では下手すると「過去の発言の寄せ集め集」というだけの本になる可能性もあったと思うんですよ。でも、実際のところ、この本はそういう内容にはなっていません。非常に丁寧に編集されているため、本全体として「岩田さんの考えていたこと」が読者に伝わりやすくなっています。「売らんかな精神」で作られた本とは一線を画すると思います。
この本がこの様に一冊の本として高い品質を持って出版された事は、もちろん関係者自身の考え・能力のおかげでもあるのでしょうが、そもそも「岩田さんを題材にするのであれば、このくらいのクオリティを持った本として作り上げなければ出版できない」と関係者に思わせた岩田さんの人徳の為せる業であろう…と思いました。
スゴいですよね。
この本、基本的には「岩田さんが語っているだけ」なのに(「第六章 岩田さんを語る」のみ宮本茂氏および糸井氏による岩田さん評となっています)それを通じて「岩田さんは多くの人に愛される人物だったんだろうな」という事が推し量れる本となっているのですから。
さて、肝心の中身についてですが、僕にはこの本には岩田さんの「任天堂経営者としての岩田さんの人生に対する姿勢」が描かれている様に僕には思えました。そのため「経営」に関心がある方には非常に参考になるであろう内容が多く記載されています。特に「人的マネジメント」に関わる部分に関しては個人的に非常に参考になりました。
僕、個人的に思うのですが、やはり「エンターテイメントの世界」で生きている人の考える事は深いな…と思います。その理由はハッキリとはわからないのですが「完全に人間を相手にする商売」であるところが影響しているのかもしれません。「エンターテイメントの世界」は「どうすれば相手が喜ぶか?」を徹底的に考えなければならない世界であるため「人に関する洞察」が深まっていき、それが「人間としての深み」に繋がっていくのかもしれません。
僕も「ふらとぴ」という「エンターテイメントという側面を持つサイト」を運営している身ですので、岩田さんの思想の深みにいつか辿り着けるようにガンバっていきたいと思います。
以上です。