こんにちは。チョッピーです。
今回の記事について
今回はチョッピーの考えるプラットフォームの利用者がプラットフォーマーに負けないための方針についての記事です。
プラットフォームビジネス
プラットフォーム
プラットフォームという言葉があります。
プラットフォームとは、駅のプラットホームやデッキ、演壇、高い足場などの意味を持つ語である。ビジネス用語としては、物やサービスを利用する人と、提供者をつなぐ場のことである。IT用語としてのプラットフォームはソフトウェアが動作するための土台を指す。また、靴においては、つま先から甲の部分の厚いものをプラットフォームと呼ぶ。
プラットフォームとは何?|Weblio辞書
この言葉は用途がドンドン拡大しており、定義は一義には定まっていないと思っています。この記事では上記の引用分の「ビジネス用語としてのプラットフォーム」についてのお話を述べていきます。
以下のイラストみたいなサービスに関して述べていくと考えて頂ければ問題ありません。
わかりやすいか、これ…?
実例を挙げた方がわかりやすかったかもしれませんね。以下の様なサービスが該当すると考えてください。
- Amazon
- Uber
- YouTube
- Spotify
どれも超有名サービス。必要性が無いと思いますので、あえて内容をご紹介する事はしません。
これらは全て「物やサービスを利用する人と、提供者をつなぐ場」です。つまり本記事の定義に従えばこれらは全てプラットフォームです。
昨今では少し熱が冷めた感もありますが、昨今のビジネスにおいては「いかにしてプラットフォームサービスを構築し、人口に膾炙させるか」がとても重要視されています。
その理由は単純化すれば「ネットワーク外部性により一人勝ちの状況を作り出しやすく、結果、上手くいけば莫大な売上・利益率を狙える」にあると言えるのではないでしょうか。
ある財・サービスの利用者が増加すると、その財・サービスの利便性や効用が増加すること。例えば、電子メールや携帯電話などネットワーク型のサービスを利用する人が増えると、より多くの相手と連絡をとれるようになり、便利になる。
ネットワーク外部性(ネットワークガイブセイ)とは|コトバンク
今もそうかもしれませんが、一時期のスタートアップ界隈は猫も杓子もプラットフォームであった様な気もしています。
スタートアップが成功するための方法論としてメジャーなモノは「投資家に”将来の莫大なリターン”という果実をチラつかせ、それをエサに資金調達を行い、新規性と話題性と勢いを武器に株式上場を果たす」です。それとプラットフォームという手段は相性が良かったのでしょう。上述した通り成功すれば莫大な売上・利益率を狙えるためです。
体感だけど、最近は少し下火になって来た気もするね。プラットフォームが成功するのは、そんなに簡単じゃない…という認識が広がってきたのかもしれない。
少し脱線(ふらとぴの宣伝)
プラットフォームのお話をしているので、少し脱線しますが本メディア「ふらとぴ」に関してもご紹介します。「ふらとぴ」もプラットフォーム的要素を含むサービスです。(ふらとぴはスタートアップではありませんが。ベンチャーです)
ひさしぶりにふらとぴのビジネスモデルの概念図をご紹介します。変則的ではありますが、ふらとぴも複数のユーザグループの提供・利用を実現する場としての機能を備えています。つまりふらとぴも本記事でいうとこのプラットフォームに該当すると言えます。
本記事ではこのようなプラットフォームを提供する形のビジネスをプラットフォームビジネスと呼びます。
プラットフォームビジネスの種類
プラットフォーム上でやりとりされる商品種別
プラットフォームという用語で表される範囲はとても広いです。そのためプラットフォームビジネスにも複数の種類が存在します。前段で挙げたサービスがそれぞれどの様な種類のプラットフォームに該当するかを僕の理解でまとめてみました。
サービス名 | 種類 |
Amazon | 物販 |
Uber | マッチング |
YouTube | サービス |
Spotify | サービス |
これらの分類はプラットフォーム上で取り扱われる商品の種類を参考に決めています。
Amazonは商品の販売者と購入者をつなぐ物販のプラットフォームです。Uberは(建前上は)目的地が同一、もしくは経由できる人と運転手をつなぐマッチングサービスです。YouTubeは動画配信というサービスの仕組みを配信者・視聴者に提供しています。Spotifyも同様に配信というサービスの仕組みを配信者・視聴者に提供していますが、こちらは動画ではなく音楽を対象としています。
コモディティ化しやすい商品はプラットフォーマーが優位に立ちやすい
ここで例に挙げたAmazonとUberはユーザよりもプラットフォームの提供者(プラットフォーマー)の方が優位に立っている様に僕には思えます。
Amazonはそもそも、そのプラットフォームを販売者として利用するためにコストが必要です。また、その真相は僕にはわかりませんがAmazon自身が売れ筋商品のデータ等を完全に把握し、それを参考にプライベートブランドを製造・販売しているという報道もあります。WSJが最初に報道したようですが、GIZMODOの以下の記事がわかりやすいのでご紹介します。
Uberも同様です。Uberは安価かつ業務上の責任の所在を全て押し付けられる労働力として運転手を不当に活用しているという批判を常に受けています。結果、Uberは各国で様々な法廷闘争を繰り広げています。参考に独立行政法人 労働政策研究・研修機構の以下の記事をご紹介いたします。
一方、YouTubeやSpotifyにおいては、この様な「利用者を不当に搾取している」という様な悪評を聞く事はあまりありません。少なくとも僕は聞いた事がありません。
もしYouTubeやSpotifyにもそういう悪評が大量にあるようだったら僕の調査不足です。本当に申し訳ない。
この違いはどこから来るのでしょうか? 僕はプラットフォーム上でやりとりされる商品のコモディティ化がその原因ではないかと感じています。
競合する企業の製品やサービスについて、性能、品質、ブランド力などに大差がなくなり、顧客からみて「どの会社の製品やサービスも似たようなもの」に映る状況をさすマーケティング用語。企業間の技術力やサービス力の高度化・均質化に起因するとされており、顧客は価格(料金)や購入(利用)しやすさのみを基準にものやサービスを選好するようになる。単に製品やサービスの無個性化が進むだけでなく、価格や料金が低下する傾向が強い。
コモディティ化とは|コトバンク
作家性の強いコンテンツはコモディティ化しづらい?
AmazonやUber上で提供されている商品は模倣が比較的容易です。
Amazonは物品が販売されているわけですので、その商品を模倣すればよい。実際、Amazonのプライベートブランドには人気のナショナルブランドの商品を参考に作ったのではないかと推測される商品が多いです。
Uberで提供されるのは「自動車による目的地への移動」であり、これに必要なのは「運転技術」と「自動車」と「労働力」だけです。これらを修得している労働者は大量に存在しており、提供者が変わったところで品質に差はそれほど生じません。とても容易にコモディティ化する商品であると言えます。
一方、YouTubeやSpotifyで提供される商品は「動画」と「音楽」です。これらには作家性が色濃く出ます。同じ題材で作品を作ったとしても提供者によって世界観はそれぞれ異なってきます。
これらの商品特性の違いによりプラットフォーマーと利用者の力関係が変わってくるのではないでしょうか。
実際に動画配信系プラットフォーマーはコンテンツ提供者を優遇している様に思える
動画配信系プラットフォーマーにはコンテンツ提供者を優遇しているように思える事例がいくつかあります。わかりやすいのが以下の事例でしょうか。
これは少し前の人気ゲーム実況者の引き抜き記事です。
まぁ、この実況者を引き抜いた「Microsoft Mixer」は2020年7月22日にサービスを「Facebook Gaming」に移行する形で終了させているんだけどね。(参考記事はこちら)
新しい動きとしてはFacebookがTikTokのインフルエンサーを引き抜いている…という報道もあります。
また、NetflixやAmazonプライムビデオと言った動画配信サービスも独占配信という形でコンテンツ提供者と契約を結ぶ場合もあります。その際には潤沢な予算が投入されるようです。
これらの報道から推測する限り、動画配信系プラットフォーマーはコンテンツ提供者を優遇している様に思えます。
逆に考えるとコモディティ化しやすい商品などを提供している事業者の方も、どうにかして作家性の強いコンテンツを作れるようになるとプラットフォーマから大事にされるようになるのかもしれません。もしかすると。
本日の締め
今回はチョッピーの考えるプラットフォームの利用者がプラットフォーマに負けないための方針についての文章を書いてみました。
まぁ、端的に言ってしまえば「差別化戦略を徹底してコモディティ化を防げ」というだけの話なんですけどね。コンテンツはそれを作るクリエイターによって色が全然、変わりますので「差別化」という観点だけから考えると他の商品よりもそれが実現しやすいのかもしれません。
作家性の強いコンテンツしか生き残れないから、結果的にそう見えているだけでは?
そうかもしれません。
本日もふらとぴにお越し頂きありがとうございます。
今日の記事、ふとした思い付きから書き始めたのですが予想外に大作になってしまいました。