こんにちは。料理好き、チョッピーです。
概念の獲得
昔話をしよう。
今から20年以上前のことだ。
当時、僕が購読していた雑誌「ファミ通」に「ソニーからPS2というゲーム機が発売される」という記事が載っていた。
どうやらPS2では当時の主流ハードだったPS・NINTENDO64を超える圧倒的に美麗なグラフィックが楽しめるらしい。
実際、雑誌にハードと一緒に紹介されていた『リッジレーサーⅤ』の画面写真を見た時に僕は思わず
こんなん、ほぼ実写やん
とつぶやいてしまった。なお、僕はその後、新しいハードが発表されるたびに同じつぶやきをしている。
PS2の画期的な点はそれだけではなかった。
なんと、PS2ではPSのソフトがそのまま遊べるというのだ。
これには驚いた。
というのも(これは今となっては当たり前の機能だが)当時、新ハードで旧ハードのソフトが遊べるゲーム機など存在しなかったのだ。ファミコンのソフトはスーパーファミコンでは遊べないし、スーパーファミコンのソフトはNINTENDO64では遊べなかった。
ところが! PS2では今までPSで遊んでいたソフトまで遊べるのだ!
夢の様な話である。PS2はPSの完全なる上位互換なのだ。
これが僕が「上位互換」という概念を理解した瞬間だった。
お料理、出来るかな?
時は流れ、2021年9月。本記事掲載日(2021年9月16日)より少し前。
僕は夕食につけ麺を作ろうと思い立った。
インスタントのモノではない。スープから自分で作る自家製つけ麺だ。
とはいえ麺まで自作し始めると本当に大変なので麺はパスタで代用しました。パスタの麺がつけ麺として代用できる…という話を聞いた事があったので。
つけ汁も「トンコツを砕いてグラグラと煮込んで…」みたいな本格的な作り方では作らない。一度、その方法を試してみた事もあるのだが、手間がかかりすぎるし、値段的にもバカにならなくなる。
最終的に、そのやり方だと「お店に食べに行った方が味も良いし、時間もかからないし、何より安い」という結果を招いてしまうのだ。
なお、僕の家庭料理のポリシーは「家庭料理に見た目は不要! コスパと味さえよければよい」です。これは単なる貧乏性から出てきた言葉なのではなく、一応、上に書いたような「本格的な料理の真似事」などの経験を経た上でひねり出された言葉なのです。
お料理、出来ました!
僕のお手軽つけ麺の材料とレシピは次の通り。
【材料】
- 市販のだしパック
- 鶏むね肉
- 長ネギ
- ニンニク
- 料理酒
- 醤油
- みりん
- パスタ
【レシピ】
- 鶏むね肉・長ネギを一口大にカットし、ニンニクの皮を剥く(①)
- 市販のだしパックの中身をパックから取り出し、鍋で水と一緒に煮込む
- 出汁の香りが漂ってきたら鍋に①を投入し煮込む(②)
- ある程度、煮込んだら②を全てミキサーにかける(③)
- ミキサーにかけた③に料理酒・醤油・みりんを加え、煮込む(④)
- パスタを茹でる
- ④をつけ汁、パスタを麵としてそれぞれ皿に盛り付ける
この材料とレシピで作ったつけ麺の出来栄えは下の通り。
美味しそうでしょ? 実際、美味しかった。
ただ…1点だけ改良の余地があった。「みりん」ではなく「みりん風調味料」を使うべきだったのだ。
適材適所が大切
僕はみりんの事を完全に「みりん風調味料の上位互換」だと捉えていた。
逆に言うと、みりん風調味料の事は「みりんは少し高いから、みりん風調味料でいいや」という使い方をする商品だと思っていた。有り体に言えば「みりん風調味料はみりんの代用品」だと思っていたわけだ。
でも、違った。みりんとみりん風調味料は、似てはいる。似てはいるが、同じモノではない。意外な事に代用品でもない。
みりんを使って作ったつけ麺のスープは、僕が望んでいたモノよりも上品な味わいになっていたのだ。言い方を変えるとパンチが足りない味だった。
マズかったわけではないです。美味しかった。でも、美味しさのベクトルが少し期待していたモノとは違った…という感じ。
僕の個人的な考えとしては、ラーメンやつけ麺に上品さはいらない。もっとガツンとした味わいが欲しかった。
ニンニクや醤油といった「(いい意味で)下品な味わいに適している食材」を使っているのに、そこにみりんを入れただけで、こんなに上品な味わいになってしまうなんて…。
食後に調べてみたところ、やはりラーメンやつけ麺を自作する場合には「みりん風調味料を使う」のがセオリーとなっているようだった。
どうやら、みりんとみりん風調味料の関係は、PS2とPSのそれとは違うようだ。
少なくともみりんとみりん風調味料に関しては、安易に「似てるから代用できるだろ!」と考えてはいけなかった。僕にはみりん風調味料の「つけ麺には僕を使って!」という叫びを聞き取れなかった。
今後は食材の声にもっと注意を払えるような人間になりたいと思う。
本日の締め
今回は僕が自らの経験から学んだ「適材適所の大切さ」に関するお話を書いてみました。
僕は本当に今回の経験をするまで「みりん風調味料を使って美味しいモノは、みりんで作ればさらに美味しくなる」と考えていました。どうやらこの考えは間違っていたようです。
料理によっては上品な味わいよりも下品な味わいの方が適している場合もある…。世の中、単純にプラスやマイナスで判断できるモノではないのでしょうね。
本日もふらとぴにお越し頂きありがとうございます。
基本的に味が濃い方がいい料理の場合はみりん風調味料の方が向いてるみたい。照り焼きとか。