こんにちは。文芸好き、チョッピーです。
隔週木曜日は豪華
本サイト『ふらとぴ』には、いくつかの連載コンテンツがある。
本記事掲載日(5月19日)には本連載『Daily Choppy !』の他にも『ふらとぴラジオ(仮)』と『今日の山頭火さん』と、なんと3つのコンテンツが掲載されている。
ふらとぴラジオ(仮)
今日の山頭火さん
『ふらとぴラジオ(仮)』は本連載『Daily Choppy !』でも何回か紹介した事がある。
でも、『今日の山頭火さん』はあまり紹介する機会がなかったかもしれない。そう言えば。
少しご紹介します。
『今日の山頭火さん』はふらとぴクリエイターの Picturize lab による隔週連載コンテンツだ。
掲載日と同じ日付に詠まれた種田山頭火の自由律俳句を基にしたイラストと文章が楽しめる。
どの回も驚くべくハイクオリティなコンテンツです。まだお楽しみ頂けていない方は是非、一度、ご覧になってみてください。
なお、この連載の担当編集は僕ことチョッピー。
なので、Picturize lab に作って頂いた原稿の一次レビューは僕が行っている。
ふらとぴクリエイターに作って頂いたコンテンツは全て担当編集による一次レビューと、ふらとぴ編集部員による二次レビューを経て掲載に至る…というフローになっています。
日々の記録
僕は隔週で『青空文庫』に掲載されている種田山頭火の日記を読んでいる。
『今日の山頭火さん』のレビューをするにあたっては、そのネタ元を確認しないわけにはいかないからだ。
日付や句、テキストの記述内容などに間違いがあってはいけませんので。
このコンテンツのレビューをし始めてから初めて知ったのだが、種田山頭火は日々の詳細な日記をつけている。
しかし、1930年にそれまでの日記を全て燃やしているらしい。
だから、青空文庫に掲載されている日記も1930年から彼が亡くなる1940年までのモノしかない。
その一部をご紹介
種田山頭火は何を思って日記を燃やしたのか。
そして、何を考えてその後も日記を記し続け、そちらは燃やさずに残したのか。
僕には何もわからない。
だが、種田山頭火が1930年以降も日記を書き続けてくれたおかげで、現代に生きる僕達も彼の世界を垣間見る事が出来る。大変ありがたい。
というのも種田山頭火の日記、さすが偉大な俳人が遺した文章だけあって、とても面白いのだ。
たとえば本記事掲載日(5月19日)の88年前…つまり『今日の山頭火さん』第18回のネタ元の1934年5月19日の日記には次のような言葉が書かれている。
生活感情をあらはすよりも生活そのものをうたふのだ。
種田山頭火 其中日記 (六)|青空文庫
人生は、少くとも私の生活は水を酒にするのではなくて、酒が水になるのだ。
生活事実、その中に、その奥に、その底に人生の真実、自然の真実がある。
含蓄がスゴい。
次のような言葉もある。
ながいこと、ぶら/\うごいてゐた前歯(後歯はもうみんな抜けてしまつたが)がほろりと抜けた、抜けたことそのことはさびしいが、これでさつぱりした、物を食べるにもかへつて都合よくなつた(私自身が社会に於ける地位はその歯のやうではないかな)。
種田山頭火 其中日記 (六)|青空文庫
なんだろう、最後の()内の一言がインターネットによくある自虐ネタみたいな雰囲気を強く醸し出している…。
こんな言葉もある。
男湯と女湯とを仕切るドアがあけつぱなしになつてゐたので、私は見るともなく、女の裸体を見た(山頭火はスケベイだぞ)
種田山頭火 其中日記 (六)|青空文庫
スケベイだぞ
実に面白い。
移ろいゆく
このように、僕はかなり楽しみながら種田山頭火の日記を読んでいる。
だが、おそらく僕が上に引用した含蓄深い言葉や、何とも言えない自虐ネタや、スケベイな自己開示などを楽しめているのは「この日記の作者は種田山頭火である」と知っているからだと思う。
仮に全然知らない人の全然知らない日記やブログを読んで、そこに同じ事が書かれていたとしたら、きっと僕は
まぁ、あなたはそう思うのかもしれませんね。
とか
だったら、もっと社会的地位を高めるべく頑張れよ。
とか
うわ、きっしょ!
とか思っていたのではないだろうか。
コンテンツの価値には、作者の人生・知名度などが大いに関係してくる。
僕も自分が作ったコンテンツを、後世の人から
うわ、きっしょ!
と言われてしまうモノではなく、
含蓄がスゴい。
と言ってもらえるモノとすべく頑張りたいと思う。色々と。
本日もふらとぴにお越し頂きありがとうございます。
昔の人もセルフツッコミとかしてたんですね。