こんにちは。クセ大好き、チョッピーです。
前書き
諸般の事情により、今回の年末年始はかなり長く地元・別府に滞在する事となった。
具体的には12月27日 ~ 1月9日までです。
普段、帰省で別府に滞在するのはせいぜい2日。長くても4日くらいだ。
それが今回はなんと14日! まるまる2週間。
別府は温泉地。せっかくだから色々な温泉に入ってみようかな。
というわけで、普段の帰省時には立ち寄らない温泉にも行ってみる事にした。
今回はその中のひとつ「別府温泉保養ランド」をご紹介します!
個人的に「別府最強のクセつよ温泉」だと思っています。
別府温泉保養ランド
複数の泥湯・硫黄泉が楽しめる唯一無二(とされている)の施設です。
2023年1月2日に実際に入ってきました。
なので、本記事の情報は全て2023年1月2日現在のモノです。ご了承ください。
はじめに注意!
別府温泉保養ランドは一部の温泉が混浴です。(男女別の温泉もあります)
ただ、お湯自体が泥湯で透明度が全くなく、男性用スペースと女性用スペースは柵で区切られているため、気を付ければ異性からの視線を防げなくもないとは思います。
とはいえ混浴である事には変わりありません。
「絶対に異性に肌を晒したくない!」という方には全くおススメ出来ません。
混浴には必ず生息している「ワニ」と呼ばれるタチの悪い入浴客は、残念ながらこちらの温泉にもいます。
また、全ての温泉に強烈な硫黄臭があります。
入浴時は慣れればそんなに気にならないのですが、入浴後1週間くらいは体から硫黄臭がし続けます。
硫黄の香りが苦手な方にも全くおススメ出来ません。
さらに、この香りは衣服にも移ります。特に下着には間違いなく移ります。
入浴後には、捨ててもいい下着・衣服に着替える事をおススメします。
ちなみに脱衣場にも香りは漂っています。入浴前にも捨てても大丈夫な服を着て行った方が良いかもしれません。
ついでに言うと、別府温泉保養ランドはかなり歴史のある施設です。
都市部やリゾート地における温浴施設のような清潔感・ラグジュアリーさは求めないようにしましょう。
この記事内の写真等を見て頂ければ、ある程度の雰囲気は分かるかと思います。
さらに、浴場内では石鹸やシャンプーも使えません。そもそも洗い場がありません。(体を流すための蛇口は数本だけあります)
基本的には湯治が目的の施設であり、癒しや清浄を求める場所では無いと思った方が良いです。
上に挙げた要素で、ひとつでも「絶対に無理!」と感じるモノがあった方は、この温泉には行かない方がいいかもしれません。
世界でここでしか味わえないとされている唯一無二の温泉ではあるのですが、その分、マイナス要素も多いです。
個人的には「マイナスポイントが100あったとしても、プラスポイントが101あれば満足できる」という方にしかおススメしません。
別府には万人におススメできる温浴施設も多くあります。たとえば「ひょうたん温泉」とか。なので、無理してこちらの温泉に行く必要はない…と僕は思います。
入口~浴場までの道のり
入口
お正月らしく入口には門松が。
入口には入湯客を威圧するかのような文言の注意書きもあります。
施設側も「万人におススメできる温泉ではない」と考えているのかもしれません。
大人1,500円、中学生1,100円、小学生600円、幼児(オムツが取れた方)350円。
別府の温浴施設の中では高級な部類に入ると思います。
中学生以下は少し安く入れるようですが、個人的には上に書いた注意事項の要因から、それらの年齢の方の入浴はおススメしません。高校生でもどうでしょうね…。
また、こちらも注意事項に書いた通り硫黄の香りがかなり移るため、バスタオルやタオルをここで買って使い捨てにするのも良いかもしれません。
こちらの案内板に書かれている通り「露天鉱泥(こうでい)大浴場2ヶ所」は混浴。
「屋内鉱泥大浴場」と「コロイド硫黄温泉」と「むし湯」は男女別です。
男女別の温泉だけの入浴に留めておけば異性から姿を見られる可能性はありません。「混浴は絶対に嫌だけれど、泥湯は楽しみたい」という方は男女別の温泉だけに入ると良いかもしれませんね。
ちなみに白塗りにされている混浴施設は「打たせ湯」です。現在は稼働していません。(だから白塗りで読めなくしているのでしょうね)
朝早くから夜遅くまで営業しています。
僕は日中にしか利用した事がありません。
ロビー・フロント
フロントは入口から入って右側にあります。
こちらで入湯料を払うとチケットがもらえます。
チケットは浴場入口で受付の方に渡す運用になっています。無くさないようにしましょう。
ロビーの奥には広めの食堂スペースがあります。
ただ、僕は利用した事がありません。僕以外の方が利用しているところも見た事がありません。
浴場入口は施設の入口から向かって左側(フロントの反対側)にあります。
こちらから浴場に向かいます。
浴場への道
浴場までが意外と遠い。
ちなみに上の道の右側に謎の設備があって、
そこからかなりの勢いで湯煙が上がっています。
ここから温泉が湧き出ているんですかね?
なお、上の動画の音有り1倍速を楽しみたい方はこちら ↓ をどうぞ。
そんなこんなで、やっと浴場入口に到着。
浴場前の休憩室
浴場の前に休憩室があります。
ここの受付で、先ほどフロントから受け取ったチケットを渡します。
なお、休憩室の入口には注意書きが掲示されています。
『金、プラチナ製以外の装身具類(指輪、ネックレス、イヤリング、等)を着用のまま入湯されますと変色します』との事なので、お気を付けて。
入浴時間が施設入口に書かれていた営業時間と違いますが、気にしないで下さい。(施設入口に書かれている方が正しい)
なお、それらも含めた貴重品は
こちらのコインロッカーに入れる事をおススメします。100円です。
ただし
コインは戻らないのでお気をつけて。
なお、
5分100円で使えるドライヤーがひとつだけ用意されています。
前述した通りシャンプーは使えないので、あまり用途はない気もします。
写真が撮れるのはここまで。
ただ、僕は10年くらい前にここの露天風呂内でケータイを使って写真を撮っている輩を見かけた事があります。その時には僕はソイツと口論…というか、僕がソイツを一方的に罵った上で、お店の人に通報しました。
皆様もくれぐれも浴場内に撮影機器は持ち込まないようにしましょう。
各種浴場感想
稼働している浴場には全て入ってきました。
コロイド硫黄温泉
脱衣所から一番近い場所にある男女別の屋内温泉。
コロイドとは『ある物質が特定の範囲の大きさ(0.1マイクロメートル程度)の粒子となって他の物質の中に分散している状態』を指す言葉です。
つまりコロイド硫黄温泉とは「コロイド状の硫黄が含まれる温泉」の事です。
別府温泉保養ランド内の温泉で唯一、浴槽内に泥が溜まっておらず、普通の硫黄泉的に楽しめます。
とはいえ硫黄臭はかなり強く、温度も別府温泉保養ランド内では一番高い(ように思える)ので、長湯には向いていないように思えます。
というか、別府温泉保養ランド内の温泉は全て長湯には向いていないように思えます。
むし湯
閉じ切った室内を温泉の蒸気で温めた蒸し風呂です。
いわゆる天然のミストサウナ。
ただ、別府温泉保養ランド内のむし湯は独特の強い香りがしており、温度もそれほど高くありません。
これを目的にこちらの施設に来るのは、個人的にはおススメしません。
むし湯目的なら前述した「ひょうたん温泉」や、もしくは「鉄輪むし湯」などに行かれた方が良いと思います。
屋内鉱泥大浴場
コロイド硫黄温泉から奥に進む階段を下ったところにある独特の雰囲気の泥湯です。男女別。
おそらくこの温泉が別府温泉保養ランド内で一番、温泉成分が強い?
その分、硫黄の香りも強いです。ただ、温度はそれほど高くありません。
お湯は灰色(というか泥水色)で全く底が見えません。
手すりが沢山あるので、それにつかまりながら入浴しましょう。
お湯の底には多量の泥が溜まっています。ドロドロです。
ちなみにこちらのお風呂は別府温泉保養ランドの公式サイトによると『乳幼児から小学生の方々迄、地下鉱泥湯の入浴は禁止』とのこと。お気を付けください。
なお、10年程前に入った時には、こちらの温泉、虫の死骸が浮いていたりしてスゴく嫌な雰囲気でした。ただ、今回はそれと比べるとかなりキレイになっていました。
他のお風呂も10年前に比べるとキレイになっていました。
露天鉱泥大浴場(1)
別府温泉保養ランドには巨大な混浴露天風呂が2つあります。
そのうちのひとつが恐らく別府温泉保養ランドのメイン。
広大な岩風呂の中にドロドロのお湯が大量に溜まっています。
こちらの温泉は混浴ですが、男性用スペースと女性用スペースは柵で仕切られています。
また、一部には衝立もあるため、気を付ければ体を隠した入浴も出来るかもしれません。
衝立のある場所で肩までつかれば、つかっている部位が他人に見える事はありません。お湯に透明度が全くないためです。
温度は熱くもなく冷たくもなく。適温です。
ゆっくりしたいのであれば、ここで長く楽しむのがいいでしょう。
ただし、硫黄臭はかなり強いのでお気をつけて。
露天鉱泥大浴場(2)
メインの露天風呂の奥に小さめの露天風呂もあります。
こちらには入口に「自律神経」との札がかけられています。
こちらもお湯の中に入ってしまえば体が見られる心配はありません。
ただし、こちらの温泉に行くまでの通路がメインの露天風呂から丸見えなので、他人に体を見られたくない方はこちらの温泉に入るのは難しいかもしれません。
こちらのお湯の温度は低め。
硫黄臭・ドロドロ感はメインの露天風呂よりも強いです。
総評
何度も書いた通り、施設・お風呂ともに極めてクセの強い温泉です。
癒しやエンタメを求めるのは適していません。
経験・湯治を目的にするのをおススメします。
補足情報
公式サイト
別府温泉保養ランドの公式サイトは ↓ です。
休憩室に掲示されている説明文
休憩室に温泉の説明文が掲示されています。
一応、こちらも写真に撮りました。ただ、読みづらいと思うので転記します。
一言で説明すると「ここのお風呂はムチャクチャ健康に良くて、世界的にも珍しいモノだよ!」とのお話が書かれています。
紺屋地獄について
この地獄は日本三大風土記の一つである豊後風土記に記載されている非常に古いもので歴史的価値のある貴重な地獄であります。
この地獄より採取される鉱泥は、九大温研をはじめ、国・公立病院、自衛隊病院等の患者用として使用されまた整肢園(小児マヒ児童治療施設)にても使用致しております。この紺屋地獄の鉱泥の特殊性について、前九州大学温泉治療学研究所所長の八田 秋博士は大分合同新聞「灯」欄(昭和41年12月9日版夕刊)にて次のように述べられています。
適度な噴気と腐食ねん土層と地下水とが三拍子そろってめぐまれた条件のもとにのみ鉱泥は産出され、温泉のようにどこにでも出るものではない。
登別の鉱泥はかぶれるし、鳴子の音研ではわざわざ岩手の八幡平から取りよせている。その点、別府はめぐまれていて坊主や十万、血の池などの鉱泥があり、ことに適量のいおうが含まれている点では、紺屋泥がすぐれている。
温研の創立以来、松尾先生がとくにこれを取り上げ、いろいろの角度から研究され、その効果が確認されたのである。鉱泥の特徴は、五倍の熱保有度を融資、熱に対するがめつさが、同温度の水ほど熱さを感ぜず、したがってからだの中までよくあったまり、ほとぼり感も長いことである。ことに紺屋泥は有名なイタリアのバッタリヤ泥やチェコのビスチャン泥などに比べて、きめが細かくツブがそろっていて、温熱効果にすぐれている。また現所長矢野良一(読み取れない)泥浴では泥を二割加えて用い血圧を下げ、血糖を押えるほか、副ジン皮質賦活するので、リューマチ関節炎、神経痛や、神経マヒ、ひきつるような痙(けい)性マヒや外傷後遺症など多角的な応用範囲をもっている。ことに近ごろ広く用いられる副ジン皮質ホルモン剤はよくきくけれどもやめると症状のはねかえりがきて、やめ方のむずかしいものであるが、泥浴をやりながら漸減してゆくとうまくゆくのである。水俣病の水銀排せつにも著効を示したとのべている。
かようなわけで温研でも年間泥湿布五000件、泥浴が七000件ほど用いられ、理療関係の大きな柱となっているのである。ユニークで貴重な鉱泥こそ、難症になやむ人々に一人でも多く利用されてフルにその効果を発揮させるべきであり、適当な保護管理によって、長く鉱泥が採取されるよう努力すべき責任が痛感される。関係方面のご理解とご協力を切望するゆえんである。
写真はこちら ↓
今回の締め
今回は別府最強のクセつよ温泉「別府温泉保養ランド」をご紹介しました。
混浴や硫黄臭などの特徴に耐えられる方にだけ、強くおススメします。
本日もふらとぴにお越し頂きありがとうございます。
入浴してから2日経つのですけど、いまだに硫黄臭いです。