こんにちは。特に遠くに行きたいとは思わない男、横道それ夫です。
今回は1年くらい前に発売されたインディーズゲームの紹介記事です。
シナリオに関するネタバレは掲載されていませんので、未プレイの方も参考にどうぞ。
なお、本記事の内容はPlaystation4版に準拠します。
Haven
概要
フランスのゲームスタジオ「The Game Bakers」による作品です。(リンク先はTwitterです)
国内では2020年12月にリリースされました。
Playstation4&5、Xbox Series X|S、NintendoSwitchにSteamと、国内で考え得るほとんどの現行プラットフォームでプレイ可能です。
価格は2,750円とインディーズ系ではやや高額な部類。
『Haven』は、見捨てられた惑星へと逃げ込んだ2人の恋人「ケイ」と「ユウ」の逃避行を
描くアクションRPGだ。故郷にあったすべてを捨て去り、小さな宇宙船「ネスト」で辿りついた未知の惑星。ケイ
とユウの2人しかいない惑星で、愛に包まれた穏やかな時間を過ごしていた。
しかし、突然の地震が住み処でもあるネストを破壊してしまう。
どうにかネストの修理をするために惑星を探索することになった2人は、想像もしていな
かった光景を目にすることになる…。ときには、凶暴化した生物と戦うこともあるような生活の中で、ケイとユウの力を合わせ
ながら、次の日を生き延びるために謎多き土地を探索していこう。<ゲームの特徴>
Haven | Playstatio Store
◆ “愛”が2人を成長させる
探索して見つけた植物で料理をしたり、ソファーで会話をしたり…ときには、敵対する生
物とリアルタイムの戦闘を経験しながら、困難な日々を乗り越えていくことで2人の愛は
さらに深まっていく。さらに、いつでも参加・退出可能なローカル協力プレイにも対応!
◆ 舞台は未知なる美しい惑星
ミュージシャンDANGERによるオリジナルサウンドトラックと、繊細に描かれるアニメー
ションが忘れられない愛の物語を紡ぎ出す。美しいグラフィックによって描かれる自然豊
かな惑星で澄みきった風を感じながら、反重力ブーツで自由に飛び回ろう。
本作の特徴のひとつが、登場人物が「既に関係性が確立されている恋人同士」であること。
恋愛要素のある作品では、お互いの関係性が徐々に深まっていく過程を描くことが少なくありませんが、本作は物語の冒頭から二人はイチャイチャラブラブです。
そんな関係性なので、ある程度人生経験を積んだ人がプレイした方が二人のしていることや言っていることの意味が分かりやすいでしょう。
そういった「大人の関係」を描くが故か、国内レーティングは高めの「CERO:D」です。
とはいえ特にエッチな表現があるわけではありません。なくもないですが。
なお、引用元の説明文に「アクションRPG」とありますが、本作はやや特徴はあるものの「コマンド式RPG」だと思います。
いいところ
- パーフェクトローカライズ
本作は日本語対応しています。
日本語へのローカライズは日本人が担当しているようで、翻訳は完璧です。
仲良しカップル独特のしょーもない冗談から、ちょっと扇情的な愛の囁きまで、そのリズム感や隠喩表現はどれも絶妙で、国産ゲーよりテキストの質が高いのでは?と思わされるクオリティです。
登場人物の音声は英語のままですが、原文の雰囲気を損なうことなく日本語化に成功していますね!
まぁ、英語の音声が何を言っているのか、僕にはほとんど分からないんですけど…。
- ホバー移動による心地よい浮遊感
フィールド移動は空中を移動できるホバーブーツで行います。
物語が進むに連れてかなり高所も移動できるようになり、舞台となる惑星の雰囲気も相まって、心地よい浮遊感を体験できます。
作品のジャンルも操作性も異なりますが、なんとなく『グラビティデイズ』を思い出しました。
高所からの落下によるダメージ等がないのも派手にいいところです。
- バトルは二人の共同作業
本作の戦闘システムは少し特徴的で、コントローラーの左半分が「ケイ」、右半分が「ユウ」の操作にそれぞれ割り当てられています。
中盤以降はそれぞれにどのような行動をさせるかが結構重要になってきて、シンプルながらも奥の深いバトルが楽しめます。
ただ、それなりに操作が忙しくなることもあるので、バトルはじっくり考えながら戦いたいという人はややストレスを感じることもあるかもしれません。
まぁ、ある程度ゴリ押しが可能になるアイテムを量産できるので、面倒になってきたらそういう作戦も。
- ロード画面のイラストが超秀逸
エリア移動やイベント進行の間にロードが挟まるのですが、その際に出てくるイラストがどれも秀逸です。
イラストは主人公2人の日常を切り取った(と思われる)場面なのですが、本編物語では描き切れない2人の濃密な関係性が垣間見えるものばかり。
「こんな風にパートナーと暮らしていけたら素晴らしいなあ」と思わされるイラストは、物語終盤近くになって初めて見るイラストが登場するくらい枚数も膨大です。
後述する「ちょっとダメなところ」を相当レベルで緩和してくれています。
ちょっとダメなところ
- 見た目の雰囲気ほど自由度は高くない
自分たちだけしかいない惑星、高速で移動できるホバーブーツとくれば、かなり自由にフィールドを散策できると思ってしまいますが、実はそうでもありません。
任意でジャンプができないので意外と段差に引っ掛かりますし、高高度の移動は専用のルートを通った場合のみ可能です。
開放的な雰囲気の割に目的地までのルートはほぼ決められているのは残念。
- エリア制による鬼ロード
こちらも作品の雰囲気とは異なり…的な話になりますが、本作はオープンワールドではありません。
むしろ、かなり細かく区切られたエリア制。初期の『モンスターハンター』みたいな感じです。
この「細かく区切られた」が曲者で、どこに行くにもかなりの回数のロードを挟む必要があります。
なまじ移動速度が速いせいで、20秒移動→5秒ロード→10秒移動→5秒ロードみたいなことも…。
ロード画面のイラストのおかげでストレスはやや緩和されますが、単純なロード回数で言えば及第点を下回る頻度です。
- やや説明不足な物語
世界観はかなり面白く、様々な展開を予感させるのですが、思いのほか広がりを見せません。「あの話は何だったの?」「その設定はどこで活きるの?」そんな感想を抱いてしまうストーリー部分がちょっと残念です。
しかし、本作で重要なのは、他所の誰かがどうとか、この先世界がどうとか、ではなくて「今ここに2人がいること」だと思うので、物語の描き方もこれが正解。きっと。
まとめ
特にやり込みを意識せず物語を追いかけたところ、クリアまで約12~13時間ほどでした。
ロードの頻度はともかく、物語としては程よいテンポで楽しめたと思います。
シンプルな画面づくりによる「雰囲気ゲー」の様相と、RPGとしてのゲーム性の塩梅もイイ感じでした。
そしてなにより、会話の内容・距離感・仕草など、あらゆる面でお互い好き好きオーラが出まくりの「ケイ」と「ユウ」が作り出す世界観は他のRPGでは得難い体験。
移動するとき、横に並ぶとスッと手を繋ぐのも…いいよね!!
大切な誰かを想いながら遊べば、いろいろと共感できる部分も多いかもしれません。
唯一無二の体験を与えてくれた本作の評価は…
星5つ!!★★★★★!!
時々セールの対象にもなってます。ぜひ機会を見て遊んでみてください!!
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!