こんにちは。巨人ファンの横道それ夫です。
GW前半に東京ドームで何か起きたようですが、僕はよく知りません。知らないのです。
さて、今回はストーリーに「野球」が添えられたギャルゲー『アママネ』のレビュー記事です。
ある程度のネタバレを含みますので予めご了承ください。
なお、本レビューの内容はPlaystation4版(全年齢版)に基づきます。
アママネ
作品概要
2019年11月に株式会社エンターグラムから発売されたギャルゲーです。
Playstation4(パッケージ&DL版)とPSVita(DL専用)があり、DL版の価格は1,980円。
ちなみにオリジナルは2019年2月にプレカノから発売されたwindows用ソフト『アママネ』です。本作はその内容を一部変更し、全年齢版(CERO:D)に調整したバージョンとなります。
つまりはそういうことなので、検索等は各自の責任で行ってください。
あらすじはこちら。
練習では部員の誰よりも野球が上手いが、
上がり症のため試合では実力を発揮できない、安田清一。そんな自分を変えるべく自主練習に取り組むが、成果は全く上がらず。
ついにはオーバーワークで、灼熱のグラウンドに倒れ込んでしまう。そんな清一に想いを寄せる後輩鈴森紗月は、彼を介抱しつつ言った。
「こんなことが二度と起きないように、
私が彼女としてマネージャーとして、
先輩のことをしっかりとサポートしますね!」こうして紗月は清一の練習や私生活の隅々までお世話し始める。
手料理、お弁当はもちろん、時には膝枕まで……。
「先輩は自分に厳しすぎるんです。
だから、私が代わりに甘やかしてあげるんです♪」彼女の好意を嬉しく思いつつも、真剣に野球の練習に取り組みたい清一と
清一の実力を信じているからこそ、もっと笑顔になって欲しい紗月。二人の青春がいま、プレイボール!
アママネ | PlayStation™Store
一応、ストアでは「アドベンチャーゲーム」に分類されていますが、選択肢による分岐や複数の結末を楽しむものではなく(一か所だけ選択肢があり)、ただストーリーを読み進めるだけの「ビジュアルノベル」です。
「そういうものである」と理解したうえで購入しましょう。
ちなみにプレイ時間はところどころボイスを飛ばしながらで1時間半くらいです。
プロモーションムービーも埋め込もうと思ったのですが、プレカノのPC版しかなかったので自重しました。
本作の気になるポイント
過去のレビュー記事は「いいところ」「ちょっとダメなところ」みたいな書き方をしていることが多いですが、今回はそれらを「本作の気になるポイント」にまとめて記載します。
ヒロインはフルボイス
本作のヒロインは「鈴森紗月」ひとりだけ。彼女のセリフは全編フルボイスです。
声優さんの声質が良く、ゆっくり優しく話しかけてくるシーンは眠気を誘うくらい「癒し」を感じます。ビジュアルの素晴らしさとの相乗効果で非常にカワイイです。
ちなみに主人公のことは終始「先輩」呼びです。
ずっと「先輩」呼びなら、主人公の名前変更機能があると嬉しかったですね。
ふたりだけの世界
良くも悪くも、です。
極々一部の描写を除き、主人公とヒロイン以外の登場人物の出番はありません。
野球部に所属していようが他の部員は登場しませんし、ヒロインの両親は常に不在ですし、秋の大会前のグラウンドで練習に勤しむのは主人公だけです。
脇役は時にノイズになり得るのでこれもアリ!と考えるか、交友関係が一切描かれないのは不自然!と考えるかは人それぞれかと思います。
本作のコンセプト的に、主人公&ヒロインのみを描写するのは至極妥当ですけど。
ヒロイン紗月の愛が意味不明なまでに深い
とにかく「先輩好き好き!」なので、いい意味で物語に起伏がありません。
なんの心配もなく物語を読み進められます。
ただ…ヒロイン紗月が主人公を好きになった理由が「入学式のとき体育館の場所が分からず迷っているのを助けてくれた」から、と「練習している姿を遠くから見ていた」から、くらいしか描かれていないで、彼女の主人公に対する愛の深さが意味不明です。
上記の接点だけで、自分の名前も知らない主人公を介抱し膝枕するというムーブができるのは凄い。リアルだとちょっと怖い。
もう少し時間をかけて関係性を築いた方がヒロインへの思い入れも増しそうですが、本作は「そういうもの」です。なのでこのツッコミは野暮の極みです。
イベントスチルの不自然な修正&トリミング
全年齢版への調整に際してどのような変更点があるのか、あるいはどのレベルの修正がかけられているのか。
本作のGoogle検索サジェストを見れば、多くの方がこの点を気にしていることが分かります。
その疑問、ひとことで解決しましょう。
見えるべきものは見えず、見えそうなものも見えない!
正直、「CERO:D」は盛りすぎです。
割とちゃんとした野球描写
ギャルゲーだけでなく、物語の導線に野球を添えた作品における野球描写って、ギャグなのかまったくの無知なのか分からないくらいぶっ飛んだものがあります。
「9回裏ノーアウト満塁3点ビハインドの場面でベンチから送りバントの指示」とか、「相手にノーノー決められかつ8失策の野手陣が、8回裏まで被安打0無失点に抑えて惜しくも9回炎上した自軍先発投手をベンチでこき下ろす」とか…。
本作も、そんなネタの宝庫かと思いきや…!?
割と納得のいく試合展開が描写されています。
なんと本作に登場する唯一の選択肢が、「紅白戦の詳細を読みますか?YES or NO」です。
ライターさんの「試合展開ちゃんと書きたいけど、おそらくユーザーが求めているのはそこじゃない」みたいな葛藤が感じられます。
僕はちゃんと読みました!
ちなみにその紅白戦以外はキャッチボールのシーンがあるくらいで、野球ほとんど関係ないです。
どうしても気になる主人公のひとこと
上がり症で、公式戦どころか部内の紅白戦でも腹痛に苛まれてロッカーから出てこれない主人公の安田清一君。
そんな彼が物語冒頭に甲子園※出場を目前に地方大会で惜しくも敗退する母校の試合を見ながら絞り出す言葉が…
俺が出場してさえいれば。
である。
安田君さぁ…。
※厳密には作中に甲子園という名称は出ず、そもそも本作の野球が高校野球であるという明言もありません。これはおそらくオリジナル版の「登場人物はすべて18歳以上です」の名残り。
まとめ
いろいろ書きましたけど、個人的にはガチゲーの合間のいい暇つぶしになったなぁという感想です。
ただ、オススメ度の評価は難しいので今回は割愛します。
代わりに一言。
ヒロインが可愛いと思ったら買え!ただし、諸々過剰な期待はするな!です。
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!
みなさま、GW後半をお楽しみください。