こんにちは、横道それ夫です!
今回はNintendoSwitchで配信中のテキストADV『私だけいれば問題ないよね』のレビューをお届けします。
物語自体の大きなネタバレは避けていますが、シナリオの分岐方法に言及する箇所があります。
予めご了承のうえ、お楽しみください。
私だけいれば問題ないよね
概要
通称「わたもん」。(公式Twitterより)
2020年6月18日にダウンロード専売ソフトとしてニンテンドーストアで配信開始されました。
価格は1,300円。
開発元は株式会社SEECというスマートフォンアプリを中心に開発している会社。
本作も2017年にスマートフォン向け(iOS版・Android版)に開発・発売されたものの移植版のようです。
ちょっと病んでる女の子からのメッセージ
あなたはどう返信する?10年前、離ればなれになった幼なじみ
彼女があの頃の面影を残したまま
また、僕の前に現れた 。でも、メッセージのやり取りを交わすうちに
僕の知らない一面が見えてきて…?そして、同じ大学に通う先輩、悩みを抱える友人、高校時代の甘えたな後輩など…
個性豊かなキャラクター達からのメッセージに返信して、エンディングを目指そう!“結末”にたどり着けるかはあなたの選択次第。
※メーカーによる説明です。
私だけいれば問題ないよね | マイニンテンドーストア
ジャンルはテキストアドベンチャー。
主要な登場人物は主人公を除き全員女の子。俗にいうギャルゲーです。
基本3択の選択肢を選びながら物語を読み進め、ヒロインたちと関係性を深めていくというオーソドックスなゲームシステム。
システム面の特徴としては、物語の大半がLINE風メッセージアプリ(ゲーム内では「LIME」と呼ばれます。本記事でも以降は「LIME」とします)を通じたやり取りによって描かれる点が挙げられます。
↑スマホ版の紹介動画です。現在はアップデートにより更に2名のヒロインが追加されています。Switch版はそのアップデート版がベースになっています。
対応言語とプレイ時間
国内メーカーによる国内向けのゲームソフトなので日本語完全対応。
逆に英語をはじめ、各種外国語には対応していません。(2023.04.03現在)
キャラクターボイスは搭載されていません。
プレイ時間は初見でゆっくり読んでも1ルート30~40分くらいです。
全6ヒロインにそれぞれ2ルート。分岐を進める場合はスキップ機能を使うはずなので、コンプリートを目指したとしても総プレイ時間は比較的短めですね。
本作のいいところ
主人公の名前が変えられる
ひらがなorカタカナで6文字以内という制限付きですが、主人公の名前が変更可能です。
LIMEによるコミュニケーションはヒロイン対プレイヤーの構造を上手く演出できており、主人公の名前を変更できることが意義を持っています。
画面の向こうで大して魅力もない主人公(名前だけ無駄にカッコイイことが多い)が脈絡もなくモテまくるのを見せつけられるだけの没入感の少ない作品も多い昨今、主人公の名前を変更できるギャルゲーは貴重!!
デフォルトの名前は「サトル」ですが、ぜひご自身の名前でプレイすることをオススメします。
たいへん素晴らしい!!
たびたび登場する選択肢
LIMEではヒロインに対するレスがすべて選択肢で選べるようになっています。
あくまで3択なので、とんでも返答をしたり既読スルーしたりといった遊び方はできませんが、頻繁に選択肢が登場するので進めるうえで退屈しませんし、自分の選んだ答えを返すことで作品への没入感が増すといったメリットもあります。
1ルートの中で数十回も選択肢が登場します。大きな分岐に関わる選択肢はクライマックスのみですが、ヒロインの反応はちょっとずつ変わるので十分楽しいです。
ライトな難易度
「ヒロインの深愛度(ゲーム内での呼称。要するに好感度)を上げる選択肢を選ぶだけ」なので簡単です。
複雑な分岐は無く、エピソードもヒロインごとに完全に分かれているので、意図せず他のヒロインのフラグを立ててしまった、といったこともありません。
また、ヒント機能も搭載されています。
ONにすれば選択肢ごとの深愛度変化も視覚化されるので、やり直しの手間なくサクサク進めたい方も安心です。
本作のちょっとダメなところ
ヤンデレ、メンヘラ設定に無理のあるキャラが…
ちょっと無理矢理すぎるヤンデレ・メンヘラキャラが何人かいます。
というか6人中5人は無理矢理くさい。
各ヒロインのバックグラウンドについての掘り下げが少ないので、主人公に依存するキッカケや固執する理由などが弱い印象です。
ヒロインごとにルートが完全に独立しているのも大きいですね。
他ヒロインの干渉や主人公が複数のヒロインとの関係に揺れる描写などがほとんど無いので、病む理由も実はあまりない。
全体的に「そうはならんやろ」が多いです。
分岐はルートをリセットしないと進めない(ネタバレ注意!)
この作品のルート分岐はいたってシンプル。
「最後の選択肢でヒロインを受け入れるか否か」のみです。
しかし、本作には「分岐前の選択肢に戻る」という機能が無く、かつセーブはオートセーブのため、別ルートの物語を読むにはエピソードをはじめからやり直す必要があります。
スキップ機能あり&1ルートは短めなのでそこまで苦ではありませんが、めんどくさく無い訳がない。
LIMEパートがスキップできない
前項でスキップ機能ありと言いましたが、それはあくまで一部の話。
ゲームの大半を占めるLIMEパートはなんとスキップ不可です。
メッセージが届く⇒選択肢を選ぶ⇒反応が返ってくる、は全て定速で進めなければいけません。
コンフィグにある「テキスト表示速度」もLIMEパートには適用されないので、ヒロインからのメッセージは素直に読み進める他に手はありません。
一応、「選択肢を選んだら即Bボタンでメニューに戻り、これまた即Aボタンでエピソードを選択してLIME画面に戻る」ことで次の選択肢箇所まで飛ぶことができます。普通に読み進めるより若干ですが時間短縮が可能です。操作の手間が増えるのでメンドクサイですけどね。
総評(おわりに)
ヒロインの「病み」要素は取って付けたようなレベルなので、ソコを求めてプレイすると肩透かしを食らうと思います。
しかし、ゲームとしてはキャラデザ・文章・システムなど、いずれも丁寧に作られており遊びやすいです。
僕はコンプまでバッチリ楽しませてもらいました!
本作の評価は星4つ!★★★★☆!!
分岐によってはハッピーエンドも迎えられます。尖った要素を求めずに低価格の普通のギャルゲーとして楽しむのがオススメです。
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!