山頭火さん、福岡県八幡にいます。現在の北九州市です。
今日、山口県湯田から汽車でやってきたようです。
窓をあけると風がある青田は涼し
窓、歌の詞によくでてきます。
窓の外が雨だったり、西日が差したり、港が見えたり、窓ガラス曇っていたり、見慣れた風景があったり。
そこから、いろいろと物語が拡がりそうだからでしょうね。
私の窓の物語といえば、アパートの窓からいつも見送ってくれた、懐かしい人の姿を思い出します。
小さく手をふる様子とか。
髪が風に吹かれて乱れるところとか。
ちょっといい感じに書こうとしました。
いつもの悪い方向です。
本当に一番覚えているのは、最後、その窓から、マグカップとか歯ブラシとか、いろいろ降って来たことです。
ちなみに、マグカップはナイスキャッチしましたけどね。
今日の句は、1940年の松山日記から選んでいます。
この年、昭和15年10月に、山頭火さんは亡くなっています。
亡くなる数ヶ月前まで、いつものように旅をして、温泉入って、知人に会い、お酒飲んで、句を詠んで。
それまでと、変わらぬ毎日を送っていたようです。
私から見ると、割といい晩年だったんじゃないかと思えます。
いやいや、そーでもないのよ、と山頭火さんは言うかもしれません。
山頭火さんも、いろいろぶん投げられてそうですもんね。
窓の外、見ていましたか、そうですか。
何が見えますか。
あしたが見えますか、ちがいますか。
いい風がはいってきますか、そうですか。