【今日の山頭火さん】第14回:3月24日の山頭火さん

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March 27,2022 #14 84 years ago 川風さむみおちつかないてふてふ
3月24日の山頭火さん
3月24日の山頭火さん

山頭火さん、関門海峡を渡り、別府、由布院を経て現在は大分県日田にいます。

日田は、寅さんこと車寅次郎もやって来た街です。

『第43作 寅次郎の休日』ほぼ日田が舞台で色々な風景が見られます。

マドンナは夏木マリさん。

寅さんと山頭火さん、ちょいちょい行った場所が被るんです。

このへんの話、またいつかまとめて書いてみたいと思っていますが、

今日のところは、長くなりそうなので、山頭火さんの句にもどります。

川風さむみおちつかないてふてふ

日田には、水を豊かに湛えた三隈川が流れています。

句の場所は、おそらく三隈川のほとりですね。

『川風さむみ』は、川風が寒いので、ぐらいの意味でしょうか。

この日は、春のお彼岸最終日ですから、本来ならまずまず暖かいはずです。

春が来たと思い、さなぎから羽化した、てふてふ(蝶々)。

しかし、寒の戻りか、この日は寒い。

周りに花は咲いていないし、他のてふてふも飛んでいない。

まずいな‥ちと早かったか。と、蝶が思うかどうかは分かりませんが、

少し慌てたてふてふが、花の蜜やパートナーになる蝶を求めて、

河岸をあっちに行ったり、こっちに来たり。

そんなてふてふの姿が、山頭火さんには、落ち着きなく不安げにみえたのかも知れません。

あるいは、寒い風に吹かれる、てふてふの心許ない姿に、自分が重なってみえたのかも。

胡蝶の夢、過りましたか。そうですか。

山頭火さんも落ち着きませんか。そうですか。

春ですね。

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