山頭火さん、今日から日記を三八九日記としています。
旅から戻り、新居を三八九居と名づけての生活が始まっています。
三八九日記、一日目の句。
どうなるものかとはだしであるく
前日の日記で、『下駄、殊に足駄穿きには降参降参』、『足が腫れ』たと残しています。
ちなみに、足駄というのは、雨の日や雪の日に履く高下駄のことです。
草鞋での旅生活から、下駄が日常の生活にまだ慣れないようです。
私も、新しい靴を履くと、だいたい靴擦れをおこします。
「新しい靴は、あなたを新しい場所へ連れて行ってくれる」
そんな言葉を聞いたことがあります。
どこかの言い伝えですかね？
調べると、他にも、
「素敵な靴は、あなたを素敵な場所に連れて行ってくれる」
とか
「良い靴は、あなたを良い場所へ連れて行ってくれる」
とか、色々な言い方をするようです。
靴を、ラッキーチャームか、履く密着型パワースポット扱いしてる感じですかね。
ちがうか。
今日の山頭火さんといえば、履き物を脱いで、裸足です。
降参して、裸足です。
もう裸足ですから、靴は、いや、下駄も草履もですね、何処へも連れて行ってくれないってことです。
裸足になったら、もう自分で自分を連れていくしかないです。
新しいところも、素敵なところも、良いところも。
連れて行ってもらえないなら、自分の足で、自分で行ってください。
どうなるものかとはだしであるく
全部ひらがな読みにくいですね。
それは置いておいて、どうなるものかと、って。
十二月二十八日ですから、冬ですから。
日記によると、この日は『どしや降り』ですから。
そりゃ、しもやけかなんかになるでしょうよ。
すみません、全部ひらがな読みにくいですね。
大切に履きましたか、そうですか。
赤い靴でしたか、ちがいますか。
ガラスの靴でしたか、ちがいますか。
その靴、どこへ連れていってくれましたか。
今年も一年、隔週木曜日、『今日の山頭火さん』にお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
皆様、どうぞ良いお年を。
