【Daily Choppy !】第507回:実は人間は茶葉でも食肉でもない

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こんにちは。紅茶が美味しい、チョッピーです。

今回の記事について

実は人間は茶葉でも食肉でもない
実は人間は茶葉でも食肉でもない

今回はチョッピーが感じている比喩の危険性についてのお話です。

緑茶・紅茶・ウーロン茶の茶葉は全て同じ種類

有名な話なのでご存じの方も多いかもしれません。緑茶・紅茶・ウーロン茶ってそれぞれ味わいが違いますよね。好みも分かれると思います。でも、その原料となっている茶葉って、全て「チャノキ」と呼ばれる植物から作られるんですよね。学名は「カメリアシネンシス」。

チョッピー
チョッピー

同じ植物から作られているのに見た目も味わいも全く異なるのはどうして?

その秘密は発酵の程度にあります。

緑茶は茶葉を発酵させずに作ります。十分に発酵させると紅茶になります。ウーロン茶は緑茶と紅茶の中間くらいの発酵度合いです。

さらに、製造方法・加工の違いからお茶はもっと細かく分類されます。たとえば「ほうじ茶」や「かぶせ茶」など。

この辺りについて詳しく知りたい方は農林水産省に掲載されている『平成 27 年度 「水資源循環の見える化」調査・検討事業調査報告書」という資料の「第Ⅰ部 茶生産に係る基礎情報および国内外のWFP等算定・活用事例の収集」にまとめられていますので、そちらをご参照ください。

チョッピー
チョッピー

「図表 1-14 日本茶の分類」とか「図表 1-15 発酵方法に違いによる茶の分類」とか「図表 1-16 茶の名称・定義」に書かれています。

サントリーの以下のページの方がわかりやすいかもしれませんね。

Access Denied

食肉も発酵の程度や調理方法によって味わいが全く変わりますね

茶葉は発酵の加減や製造・加工方法によって、その姿・味わいが全く変わる事がわかりました。これって食べ物においては別に珍しくない気がします。

たとえばお肉。食肉としてメジャーな牛肉・豚肉・鶏肉も、同じ肉を使っても発酵の程度や調理方法によって姿かたち・味わいは全く異なりますよね。

チョッピー
チョッピー

数年前に話題になった熟成肉を食べた経験がある方はよくわかると思います。なお、熟成肉に関しては定義などが定まっておらず衛生面に対する懸念も少なからず存在するようです。なので、ここでこれ以上、熟成肉について言及するのは避けますね。

熟成の程度に限らず単純に肉を焼いたモノと煮たモノを比べても、その差は一目瞭然です。

同じ素材を使っていても熟成の程度やその後の加工・製造工程を変えれば仕上がりはまるで違うモノになる。これはある程度の普遍性を持った、なんにでも適応できる法則だと言えるのかもしれません。

だからと言って、それが人間にも適応できるのか否かは別の話

さて、普通の話の流れであれば、この後の展開は以下のようになるでしょう。

  • 人間も成長に伴い変わっていくモノ
  • 良い方向に変われるように頑張りましょう!

うん、この流れは美しいですね。主張の内容にもある程度の確からしさがあるように思えますし、その方向性もポジティブで良いと思います。

でも、ここはあえて疑義を呈してみましょう。これ、本当にそうなんですかね?

チョッピー
チョッピー

えぇ…? どうしてワザワザそんなことを…。

そちらの方が面白そうだからです。

チョッピー
チョッピー

これだから面白さ原理主義者は困る

僕の特性はさておき。さて、上の主張の確からしさの根拠となっているのは「茶葉や食肉は熟成の程度や加工・製造方法によって姿かたち・味わいが全く変わってくる」という事実です。これを横展開して「人間もそうかもしれません」という推測を行い、最後に「良い方向に変わるように頑張りましょう!」というスローガンで締めています。

ここで注意すべきは「人間もそうかもしれない」という意見はあくまで推測であるという点。確かに「茶葉や食肉」も「人間」も「変化する」という1点においては共通しています。でも、その他の点には色々と異なるモノもあります。「生きているか、死んでいるか」とか。「意思の有無」とか。「サイズ」とか。

このように異なる条件の存在に対して「熟成の程度や加工・製造方法によって姿かたち・味わいが全く変わってくる」という事実が適応できるかどうかは不明確です。

たとえば「お肉は熟成させると美味しくなるのか! じゃあ、本を熟成させたら、もっと面白くなるハズ!」という主張はどうでしょうか。お肉も本も探せば共通点はあると思います。「どちらにも炭素が含まれる」とか。でも、この主張は明らかに間違っていますよね。

面白さは読む人の捉え方に依存する変数。本自体の熟成…つまり傷み具合でそれが変動するとは考えにくいです。

チョッピー
チョッピー

「古くて読みにくいので面白さを感じられない」とかはあるかもしれませんが

相手が比喩を使ってきた場合は注意しよう

正直、僕も上で例示した「人間も成長に伴い変わっていくモノ」という主張には同意しています。「良い方向に変われるように頑張りましょう!」という考えも同様です。

「茶葉や食肉と人間は違うだろ」なんていう考え方自体が疑り深いイヤなモノであるのは事実でしょう。でも、実際、茶葉や食肉と人間って違うんですよね。

世の中にはこの程度の欺瞞には収まらない比喩が溢れていると感じます。たとえば「過去の偉人は○○をして成功した。あなたも成功したいのであれば○○すべきだ」とか。よく聞きませんか?

仮に過去の偉人が○○をして成功したのが事実だとしましょう。でも、あなたは過去の偉人ではありません。そもそも過去と現在では時代背景が異なります。「人が違う」「時代が違う」という2つの違いを超えて○○が普遍的に適応可能な成功のための法則である根拠は、少なくとも上の主張には存在しません。

比喩はなにかの主張に説得力を持たせるための、とても使いやすいツールです。僕も500日以上、毎日、文章を書いてきた人間なのでわかります。「○○を書きたいな…それに説得力を持たせるための別の話はないかな…探せばみつかるかも…」みたいな思考にすぐに陥ります。

気を付けて! それはあくまでも比喩! あなたに適応できるかどうかは、全然、別の話!

僕は、常に自分が発揮できる最大限冷静な判断力で物事を判断した方がよいと考えます。

本日の締め

今回は僕が感じている比喩の危険性についてのお話を書いてみました。

実は今回のお話は当初は上で例示した「普通の話の流れ」で書こうと考えていました。以下の考えを辿ったからです。

チョッピー
チョッピー

うーん、紅茶美味しい。ウーロン茶よりも紅茶の方が好きかも。でも、紅茶もウーロン茶も茶葉の原料って同じヤツなんだよな…。加工・製造方法によってこんなに差が出るとは…。もしかすると、人間も同じかもなぁ…。

で、茶葉の事とか可能な限り調べて。さぁ、書くぞ…と思った瞬間に以下の考えが頭をよぎりました。

チョッピー
チョッピー

ちょっと待て。本当にこんな当たり前の話を僕は読みたいのか? もう少しだけ深い考えの話が僕は好きなのではないか?

結果、このような疑り深い記事が出来上がりました。これが皆様に支持されるかどうかはイマイチわかりませんが、個人的には面白い記事になったと思っています。皆様にもお楽しみ頂けたのであれば、幸いです。

本日もふらとぴにお越し頂きありがとうございます。

一卵性双生児の研究って興味深いですよね。

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