こんにちは、横道それ夫です!
今回はNintendoSwitchで遊べるタクティカルSRPG『マーセナリーズウィングス 偽りの不死鳥』のレビュー記事をお届けします。
ストーリーに関するネタバレは含みませんので、購入前の参考にもお読みいただけます。
マーセナリーズウィングス 偽りの不死鳥
概要
2018年9月27日にダウンロード専売ソフトとしてマイニンテンドーストアにて配信開始されました。
価格は定価1,500円。
開発・発売はライドオンジャパン(公式HP・Twitter)という埼玉県の会社です。
ロープライスのゲームソフトを数多く制作しているメーカーです。
新たに紡がれる傭兵たちの物語!
・ストーリー
北大陸に位置する、立憲君主制の主権国ドライデン王国。
不死鳥に力を授けられた英雄が、千の敵を打ち倒して国を成したとされている。
その荒々しい伝説を体現するかのように、現国王ハロルドは10年前の即位より諸外国との戦争を繰り返してきた。
長きに渡る戦争の繰り返しにより、国民の不満は限界に達し、イスカリオット伯爵が国民の声を代弁して立ち上がる。伯爵は反乱軍を組織し、王国軍が隣国へ侵攻している隙に、手薄となった王城を乗っ取ることに成功。
こうしてドライデン王国は、隣国コリングウッドと反乱軍、両勢力との戦いを強いられることとなった。
ハロルド国王は、コリングウッドと対峙して動けぬ正規軍に代わり、反乱軍へ対抗する戦力として傭兵軍の編成を決意する。王の要請に真っ先に応えたのが「雷鳥傭兵隊」。
「雷光」の異名を持つ剣士ケインと、「不死鳥」と称される 戦士ジェレミーが興した新進気鋭の傭兵隊である。・ゲーム概要
「マーセナリーズウィングス」はファンタジー世界を舞台にしたタクティカルシミュレーションRPGです。
戦闘は高低差のあるクォータビューのマップで行われ、正面・背後・横方向で変わる戦闘結果、味方キャラの立ち位置による援護効果など戦略性の高さが特徴です。
戦闘で得たスキルポイントを使用して、スキルの修得や強化、クラスチェンジなど、自由度の高いキャラクター育成が楽しめます。キャラクターデザインはイラストレーターの風間雷太氏を起用!
美麗に描かれたキャラクター達が喜怒哀楽の豊かな表情で活躍します。※メーカーによる説明です。
マーセナリーズウィングス 偽りの不死鳥 | マイニンテンドーストア
『タクティクスオウガ』などに代表されるクォータービュー採用のSRPGです。
ちなみに本作は『マーセナリーズ』シリーズの1作品です。同シリーズは2023年5月現在、全7作品が発売されており本作は第4作目にあたります。気になる方はコチラをご覧ください。
なお、物語は続き物ではなく本作のみで完結しますのでご安心ください!
移動・攻撃・防御・スキルなど自由に戦術を組み立て、味方ターンと敵ターンを交互に繰り返しながら各ステージを攻略していくオーソドックスな作りになっています。
対応言語
日本語のみ対応しています。
誤字脱字はなく、当然、翻訳の違和感もないので日本語プレイヤーはしっかりストーリーに没入できます。
本作はマルチランゲージではありませんが、海外向けに『Mercenaries Wings: The False Phoenix』がリリースされているようです。こちらの対応言語は英語のみとなっています。
プレイ時間
メインシナリオは全22章で構成されています。
難易度「Easy」でプレイしてストーリークリアまでは約16時間。
価格帯を考えれば十分なボリュームではないでしょうか。
クリアだけなら土日に頑張れば十分イケます。
なお、クリアデータを引き継いで周回プレイも可能です。
シナリオ分岐を含め1周だけでは達成が難しい要素もあるので、総プレイ時間まだまだ伸ばせそうです。
本作のいいところ
風間雷太(敬称略)
風間雷太氏によって描かれたキャラクターが超絶素晴らしいです。
作中で見られるイラストは上半身のみですが緻密な衣装デザインや表情差分による満足度は相当のもの。
元々、僕が氏のファンであることを差し引いても低価格帯作品にあるまじきハイクオリティです。
キャラデザにおいてはフルプライス作品のクオリティに到達しています。
いろいろ丁度イイ
シナリオの盛り上がりもテンポも丁度イイ
正規軍・暴君・反乱軍・傭兵…ファンタジーRPGでは幾度となく扱われたであろうキーワードで構築される物語には良くも悪くも飛びぬけた独創性はありません。
しかし、シナリオの盛り上がり具合が丁度イイです。
各章のイベントパートが冗長過ぎず、サクサク進んでいくからでしょうか。
JRPGにありがちな「お前らそんなことしてる場合か?」的なシチュエーションがほとんどないのも理由かも。
王道的なご都合主義はありつつも、起承転結が程よいボリュームに破綻なく詰め込まれています。
キャラ同士の距離感が丁度イイ
本作には「ノリが痛い奴」「距離の詰め方がおかしい奴」「語尾が変な奴」など、JRPGに出没しがちなパーティーの空気感を変にするヤツがいません。
精神的に成熟したキャラや良識のあるキャラが多く、彼ら彼女らの掛け合いは距離感も丁度イイです。
一方、キャラクターの成長物語的な要素は薄めです。でもキャラクター毎の掘り下げはメインストーリーのテンポとトレードオフな気がするので本作はこれでいいと思います。
難易度も丁度イイ
僕は今回、クリアを目的に「Easy」でプレイしましたが、それでもそれなりにやりごたえがある難易度でした。
クラスチェンジやスキルカスタマイズによる編成の自由度や戦術性の高さは、テキトーにゴリ押すだけでは苦戦を強いられるバランスになっており非常に楽しめました。
それでいて、「Easy」は好きなキャラを重用しても何とかなる難易度です。
周回して高難易度にも挑戦しようかなと思わせる難易度が丁度イイ!
本作のちょっとダメなところ
とはいえバランス調整が雑なところもある
レベルアップ周り
本作はストーリーを進めるためのメインシナリオと、レベル上げ等に使用できるフリーマップに分かれているのですが、メインシナリオにおける敵レベルの上がり方がかなり大きくなっています。
1章進むだけでかなりレベルが上がり、スキルレベルも目に見えて上がります。
そのため、フリーマップでのレベル上げがほぼ必須です。
ストーリー性のない戦闘のみのマップで、メインシナリオにおけるレベル差を埋めるためにシコシコと雑魚狩りすることを強いられます。
まぁ、フリーマップの敵も言うほど雑魚ではないんですけど。
経験値は各キャラクター毎かつ行動毎に蓄積されていくので、レベルを上げるには毎ターン必ず何かしら待機以外の行動を取って経験値を稼ぐ必要がありちょっとメンドクサイです。
逆に言うと敵を全滅させずに自己強化スキルを使い続ける等の方法で延々とレベル上げをすることも可能です。虚無過ぎるうえにバランス崩壊に繋がりかねないのでオススメはしません。
魔法・スキル周り
致命的ではありませんが、魔法・スキルの調整はやや雑です。
本作の魔法・スキルの特徴として…
- チャージタイム※1が無い
- どのスキルも移動後に使用可能
※1 発動までの猶予時間のこと。強い魔法やスキルほど発動まで時間を要する、という調整をしている作品が多い。
が挙げられるのですが、これによって敵も味方もスキルぶっ放しゲーになっている感が否めません。
チャージタイムが無いうえに経験値もプラス加算される仕様のため、基本的に魔法やスキルを使わない理由がありませんし、射程が長いものであろうが範囲の広いものであろうが全て移動後に発動できるので、位置取りによる駆け引きの面白さは薄めです。
シナリオ通して高低差のあるマップが多いので、その影響を受けづらい魔法・射撃系が強く、逆に接近するまで本領を発揮できない近接系がやや不遇な印象です。
近接は斧が強い
「近接系がやや不遇」と書きましたが、別に弱い訳ではありません。
むしろ寄れたら強い。
特に盾防御ができない「斧」系は他武器と比較したダメージ効率が明らかに高く、武器格差が大きい印象です。
射程の短さを補って余りある攻撃性能なので剣や槍は敢えて装備する理由がない気がしますねー…。
視認性がやや低い
本作のクォータービューですが、視点は1方向固定です。
なので、どうしても段差やオブジェクトによる死角が生まれます。
加えて、特に中盤以降、敵味方の総数が増えてくるマップにおいては、密集状態におけるキャラクターの位置関係や状態が非常に把握しづらくなっています。
カメラの回転とまでは言わないので、せめてズームができればよかったですね。※2
※2 シリーズ続編ではカメラ回転まで対応しているそうです!本作は5年前の作品ですからね…。
総評
キャラデザ最高!肝心のゲーム部分も結構しっかり作られていて好印象!
バランス調整の難しいSRPGにおいて、投げやりな部分があまりないのでバッチリ遊べます。
スキルや装備を見直して少しずつパーティーを成長させていく面白さは、やり応えがありつつも煩雑過ぎずなのでSRPG初心者でも楽しめるのではないでしょうか。
本作の評価は星4つ!★★★★☆!!
買って損なし。オススメです!
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!