こんにちは。横道それ夫です。
今回はワンコインで遊べるアドベンチャーゲーム、『ワン・ナイト・スタンド』のレビューをお届けします。
マルチプラットフォームの作品ですが、遊んだのはNintendoSwitch版です。
シナリオに関するネタバレは含まれておりませんので、購入前の参考にもお読みいただけます。
ワン・ナイト・スタンド
概要
作品自体は結構前のもので、2016年にPC版がリリースされていたようです。
NintendoSwitchでは2022年2月24日にダウンロード専売ソフトとして配信が開始されました。
価格は定価500円。
Kinmoku(公式Twitter・公式HP・公式YouTubeチャンネル)というインディーズ系スタジオが制作しています。
こちらはドイツのヘッセン州フランクフルトを拠点にするLucy Blundellさんという個人のゲームスタジオとのこと。エレクトロニック・アーツに5年間お勤めして2015年に独立されたそうです。(公式HPより)
なお、販売元はSwitchでインディーズ系作品を遊ぶ方にはお馴染みのラタライカゲームスです。
本ゲームは、見知らぬ女性のアパートを舞台に、彼女が誰であり、どうして一緒になったのか手掛かりを探すポイント&クリック型ADVです。
1つの真実を見つけるには、慎重に彼女の部屋を調べ、彼女と真剣に会話する必要があります。あまりにもしつこい詮索は、結果として彼女の気に障るかもしれません。
この女性と良好な関係を築くのか、それとも機会が訪れたらタイミングよく逃げ出すのか。貴方の行動と選択によって12の異なるユニークなエンディングを見つけることができます。
ワン・ナイト・スタンド | My Nintendo Store
ジャンルはシンプルなテキスト形式のアドベンチャーゲーム。
左スティックを操作して様々なオブジェクトを選択していきます。
会話の中で選択肢も複数登場しますが、時間制限などはないので急かされることなくプレイヤーのペースでゲームを進められます。
ちなみにワン・ナイト・スタンド(One Night Stand)とは「一夜だけの公演」のこと。転じて「一晩限りの情事」という意味もあります。本作における意味はどう考えても後者。
対応言語とプレイ時間について
本作は日本語に対応しており、翻訳のクオリティも高いです。
多種言語に対応しているようで、日本語についても不自然なところがまったくありません。
プレイ時間については1周が約10分ほど。コンプリートまで1時間半くらいかかりました。
1周はかなり短いですが、周回プレイ前提のゲームデザインです。
なお、2つほどどうしてもたどり着けないエンディングがあり、そちらは攻略サイトに頼りました。全部自力でコンプリートを目指すと結構時間がかかるかもしれません。
本作のいいところ
- 滑らかに動く魅力的なキャラクター
サインペンで描かれたようなイラストのキャラクターがとても滑らかに動きます。
テキストを読み進めるシンプルなゲーム性ながら、この滑らかなアニメーションによってドラマを見るかのような楽しさもあります。
キャラクターも静止画だとちょっとシンプルすぎるかなと思いましたが、動いているところを見ると表情も豊かで魅力的。
スタイルも極端なアニメ調デフォルメが加えられていない分、かえってセクシーです。
- 12個のエンディング
本作には多様なエンディングが用意されており、その数はなんと12。
何周かしないと気づけない要素も多くあり、中には制作者の遊び心満載のクソくだらないエンディングもあったりします。
全体のボリュームは少なめですが、分岐の多さによりいい意味で「かさ増し」できています。
- ワン・ナイト・スタンド感
本作は、全てのエンディングを網羅してもいくつかの「謎」は解けないままです。
この夜に出逢うまでお互いが何をしていたのか、この夜を経てこれからの関係ががどうなっていくのか…。
「物語の伏線は全部回収されなきゃイヤだ!」という人にとってはネガティブなことかもしれませんが、この「いろいろと分からないこともある」というのが一夜限りの情事をうまく演出していると感じました。
分かっているのは、ゴムはキチンと付けていたということくらい。(さすがにもうちょっと色々わかりますけど)
本作のちょっとダメなところ
- 高頻度のエラー落ち
Switchに移植するにあたっての最適化がうまくいっていないのか、既読スキップを使用するとかなりの頻度でエラーによる強制終了が発生します。
ワンプレイの時間が短いことが不幸中の幸いですが、僕の場合、1時間半ほどのプレイ時間の中で6回もエラー落ちしました。
テストプレイをしていれば絶対に気付くレベルの欠陥です。ちなみに、携帯モードで遊んでいました。
低価格帯ソフトとはいえ「実装されている基本機能を使うと落ちる」というのはいかがなものか…。
本編の内容とまったく関係ないところで著しく評価を下げていますよ。
まとめ
割と遊べます。
しかし中身は少々薄味で、定価で買うと肩透かしを食らうかもしれません。
文庫本くらいの価格ですが、中身はそのなかの短編くらいのものです。
何を得るでも失うでもない内容なので、セールに巡り合ったら手に取ってみてもいいかもしれません。
一晩の間にクリアできますし、おそらくクリア後に再プレイすることもないでしょう。
まさにワン・ナイト・スタンド。
そんな本作の評価は…
星2つ。★★☆☆☆!
内容的には★3くらいですけどエラー落ちが酷すぎるので★1個減らしました。
今日もふらとぴにお越しいただきありがとうございます。ではまた!