【今日の山頭火さん】第35回:1月26日の山頭火さん

今日の山頭火さん アイキャッチ画像今日の山頭火さん
January 26,2023 #35 90 years ago 1月26日の巻 わが庵は雪のあしあとひとすぢ
『今日の山頭火さん』第35回で利用する画像です
1月26日の山頭火さん

この日、1933年、1月26日は旧正月元日。

山頭火さんは、庵で過ごしています。

わが庵は雪のあしあとひとすぢ

日記にはこうあります。

『雪だ、このあたりには珍しい雪だ、冷えることもずゐぶん冷える、なにもかも凍っている。まづ雪見で一杯ということだろう、誰か雪見酒を持ってこないかな』

日記を読むと、この日の山頭火さん、テンション上がってます。

雪のせいだけでは無いようですが、日記全体の雰囲気がちょっと上機嫌です。

私も、雪があまり降らない地方に住んでいるのですが、雪が降ると、確かに、ちょっとテンション上がります。

わかります。

今日、これを書いている時点で、第35回『今日の山頭火さん』掲載予定の、26日あたり、大寒波の予報です。

平地でも、雪が降るぐらいの大寒波だそうです。

私も雪見酒の用意を始めたほうがいいですかね。

足跡を残す、という慣用句があります。

物事を成し遂げて、成果を後世に残すといった意味ですね。

山頭火さんは、俳人ですから、もちろん、自分の俳句を残そうと、創作を続けていたはずです。

自分の足跡を残したかったはずです。

残ってます、山頭火さん。

90年たった今でも、山頭火さんの残した、一筋の足跡が気になる人間がいます。

90年後の同じ1月26日に、雪が降ったら、雪見酒をしようとしている、おじさんが、ここにいます。

足跡を残す人というのは、歩きにくい道を厭わないんですね、きっと。

足がめり込む、ぐずぐずの道を、厭わないんです。

だからこそ、残るわけです。

私はといえば、スキップできるぐらいの、楽な道を、ここまで来たような気がします。

多分、舗装路です。

そりゃ、何にも残ってないはずです。

足跡の残るような、足下の悪い、道無き道を、一歩一歩進まないかぎり、何も残りませんね。

一歩一歩です。

まず、スキップを止めろ、と。

雪、降り積もりそうですか、そうですか。

すべての足跡が、静かに、埋もれていきますね。

それでも出発しますか、そうですか。

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