今日の山頭火さん、日記にはこうあります『風、風、いやな風がふく、――』
今日の風に、悪い気配でも感じているのでしょうか。
いちにち風ふいて永い日が暮れた
一日中、嫌な風に吹かれたらたまりません。
さらに、句の中では『永い』という漢字が使われています。
この永いは、forever。永遠です。
日が暮れて、一日で終わるなら、『長い』を使うはずです。
この風は終わらない感じがしているんだと思います。
だとすると、自然界の風のことだけではなく、
山頭火さんの心の中、そこに吹く風なのかもしれません。
考えすぎか。
いつか終わりが来ると思えば、人は耐えることができると、私は思っています。
消極的な態度かもしれませんが、ただ待つのです。
しかし、終わりが示されていないなら待つことができません。
続けるしかなくなるのです。
明日は明日の風が吹くと、開き直ってはいられないからです。
その風の中で吹き飛ばされずに立っているために、
山頭火さんは、句を続けているのかもしれませんね。
風、吹いていますか。そうですか。
あなたの風はどこから?
最後は風邪薬のCMみたいになってしまいました。