山頭火さん、お彼岸を其中庵でむかえています。
ふるさとはおもひではこぼれ菜の花も
『おもひでぽろぽろ』というジブリ映画のタイトルを思い出しました。
思い出というものは、こぼれだしやすいのかもしれませんね。
私も、この『今日の山頭火さん』を書く中で、時々こぼしています。
日記によると、山頭火さん、三日ほど前、妹を訪ねています。
故郷のこと思い出しても不思議はないです。
思い出のこぼれだし方には、大きく二種類あると思っています。
ひとつは、思い出に、心が満たされて溢れ出るタイプです。
このタイプはカタルシス作用もあるので、こぼれると気持ちよかったりします。
なんなら、ちょっと傾けて自分でこぼしたりします。
それに対して、もうひとつの方は少し厄介です。
もうひとつは、心の裂けめから、こぼれ出てしまうタイプです。
心にひびが入ったりして、裂け目から溢れ出て来た場合です。
この形で思い出がこぼれると、かなりしんどいと思います。
一旦裂けると、裂け目の修復には時間がかかりますし、
完治しないことさえありますから、かなり大変です。
山頭火さん、今回は満杯タイプでしたかね。
あゝ、こぼれましたか。そうですか。
水ですか、ご飯粒ですか、思い出ですか。そうですか。