今日の山頭火さんは、昭和五年の旅を一旦置きまして、その9年後、四国遍路日記からの一句です。
ちなみに、昭和五年十一月十八日の日記は以下の様になっています。
『行乞したくないけれど九時から三時まで行乞、おいしい濁酒を飲んで、あたゝかい湯に入る、そして寝る、どうしても孤独の行乞者に戻りきれないので閉口々々。』
『行乞記』より
記載はこれだけで、句を詠んでません。
飲んで、風呂入って、寝ちゃってます。
と言うことで、今回は、昭和十四年の十一月十八日越智町(注:旅の行程からみて、越知町の誤りだと思われますが原文のままにしてあります)、川口での一句。
岩ばしる水がたたへて青さ禊する
9年経ってもほっつき歩いています、山頭火さん。今いるところを地図で見ると、仁淀川のすぐ近くです。
句にある、この『青さ』とは、いわゆる仁淀ブルーと呼ばれている、青の事だと思います。
確かに、あの澄んだ青は目に染み込むというか、目を伝って心に染み込む様な青です。
『禊』な気分になるのも分かる気がします。
ご存知ない方は、ぜひ検索してみて下さい。山頭火さんの目に映った青を、82年の時を越えてご覧下さい。
ちなみにこの辺り、映画『竜とそばかす姫』の舞台にもなったようで、近頃は聖地巡りに訪れる人が増えているようです。アニメの絵で、あの青をどう表現しているのか気になるなぁ。映画見ればよかったなぁ。
山頭火さん、仁淀ブルー見ましたか。心洗われましたか、そうですか。